現金1番
今日、街で見かけた幾つかの銀行のATM。
外に溢れるほどの列ができていました。
10連休でもATMは普通に稼働するはずなのですが、どうして並んでいるのかと、聞いてみたくなりました。
もちろん聞きはしませんが、、、
ATMが開いているといっても、出金に休日手数料がかかるから、というのが、一番無難な答えでしょうが、10連休で何が起きるかわからないから、少し多めに現金を持っておきたい、という小さな不安の集積が、あの行列の本質なのかもしれないとも思います。
この国のキャッシュレスへの道のりは、ものすごーく遠いと、あらためて認識しています。
寺本名保美
(2019.04.26)
間欠泉
日銀の政策決定会合では、噂されていたような追加緩和色が透けて見えるような内容ではなかったようです。
現状の金融政策について「当分の間」が「当分の間、少なくとも2020年春頃まで」に変更し、1年という期間を市場に担保する形となりました。
1年という期間が長いのか短いのかは判断に迷うところではあり、今後の景気局面次第では、この1年という言葉が返って金利の先高感を演出してしまうリスクもあります。
いずれにしても、市場の注目は日本よりも米国。
日本の政策ではビクとも動かない国内市場ですが、上下の方向性は別として、連休明けに間欠泉のようなエネルギーの噴出がありそうな嫌な予感がします。
寺本名保美
(2019.04.25)
元の木阿弥
米国の株式指数は昨年10月の急落前の水準まで復活し、米国の10年利回りは3月のFOMCでの利上げ停止発表前まで上昇しています。
今回の株価上昇のきっかけの一つが昨年12月以降の米国FRBの方向転換であることは間違いなく、かたや、この方向転換のきっかけが10-12月の米国株価の急落であったことも間違いがない、とするならば、この足元での株価の上昇の先に何かあるのかを想像するのは難しいことではありません。
この10連休が終わり、日本市場が開いた時の最大のリスクシナリオは、その間に発表される米国の経済指標が非常に強く、米国債券市場が再び利上げを織り込む展開に変わってしまっていることかもしれません。
いずれにしても10日の空白は長い…
寺本名保美
(2019.04.24)
スルーの結果の安定
驚異の10連休まであと3日となりました。
連休前のポジション調整もそろそろ最終でしょうか。
日本絡みで、この数日売られた市場は、これまで買われていた市場。
買い戻されだ市場は、売りが嵩んでいた市場。
そういう視点で見てみると、今週の日本時間の静けさが、妙に引っかかります。
要するに、整理したいほどのポジションを持っていた人がそもそも居なかった?
多少円高に振れているのはご愛嬌。
落ち着いているのは嬉しいものの、少し悲しい安定ではあります。
寺本名保美
(2019.04.23)
アナログな景気
10連休直前の24日25日に開催される日本銀行の金融政策決定会合において「広義の追加緩和」が発表されるのではないかとの見通しが、増えてきていると言います。
今の日本経済が過去数年との比較においては停滞しているかもしれませんが、景気後退期にあるわけではないなかで、更なる金融緩和措置の議論が出てくることに少し違和感があります。
景気というものは変動するものです。常に一定のスピードで拡大し続けるものではありません。消費税の再延期議論でも見かけますが、景気の拡大スピードが減速することすら容認しないような論調が足元で主流となっているのはどういうわけなのでしょう。
景気は強いか弱いかの二者択一ではありません。
寺本名保美
(2019.04.22)
偉業でも悲劇でもなく喜劇
何があっても変わらないトランプ大統領への支持率を指して、
4月1日のWSJは『動かぬトランプ氏支持率、偉業か悲劇か』と題したコラムを掲載しました。
そして今日のロシア疑惑を巡るモラー報告書を受け、『モラー報告書、判断は有権者の手に』という見出しを付けています。
トランプ大統領のロシア疑惑について「司法判断に掛けられるほどの要素は確定できず、だからと言って清廉潔白というわけでもない」いう今回の報告書が出たことを受け、この疑惑の真偽そのものについて来年11月の大統領選挙で国民自身が決着をつけることになった、とWSJの記事は解説しています。
傍から見る限り、トランプ大統領が再任されるということは、偉業でも悲劇でもなく、米国最大の喜劇であるようにも思うのですが、米国国民がそこにどのようなシナリオを描くことになるのか興味深いテーマではあります。
いずれの結果にしてもあまり観たい演目ではありませんが。
寺本名保美
(2019.04.19)
子供の北風、大人の太陽
ロイターによれば
ファーウェイが、ドイツの「5G」ネットワーク構築に参加するため、セキュリティー面を懸念している同国政府に対して「スパイ活動をしない合意」を結ぶことを提案していたことが分かった。
とのこと。
スパイ活動やあらゆるバックドアをつけないことも約束する、
そうで、
このことを中国政府にも了解をとる、
とのこと。
色々な意味で、興味深いことこの上ない、記事ではありますが、個人的には、米国とドイツが、北風と太陽の寓話のようで面白い。
さて、日本はトランプ流の北風に乗るのか、メルケル流の太陽でいくか。
それにしても、ドイツは本当に、したたかな国です。
寺本名保美
(2019.04.18)
アップデートは何故フリーズの元になるのか
この数日の私のストレス。
スマホのOSのアップデートで、電話機能がフリーズしたこと。
スマホはアプリのためにあるのではなく、通信のためにある、と私は思っている。
アップデートは、不都合を生み出すためではなく、解消するために行うものだと、私は思っている。
現実はそうではない。
何故?
寺本名保美
(2019.04.17)
クオリティ信仰
クラウドファンディングというものに参加して、開発中の製品が予定より半年以上遅れて到着し、如何にも「開発途上」という雰囲気のある商品に、完成品を期待していた参加者が大炎上している、という様を目の当たりにしています。
試作品にはお金を払わない!と言っている人達の気持ちもわからないではないものの、所詮クラウドファンディング。
クラウドファンディング、などというカタカナ言葉にしないで、「求む!開発費用への寄付行為」「めでたく完成した暁には商品の優先購入権を差し上げます」ぐらいはっきりと表示しておけば、こんなトラブルにはならなかったわけで、サイトの運営会社の姿勢にもやや問題があるのかもしれないと思ったりしています。
それにしても、クオリティ信仰の厚いこの国で、新製品を売り出すことの何て困難なことか。
寺本名保美
(2019.04.16)
需要のエアポケット
ここ1-2年の企業業績を示唆するのに最も適したフレーズは「需要のエアポケット」だと思っています。
アップルの業績についてこの単語が使われるようになっていますが、アップル以外の全てのスマホ関連産業に当てはまるだけでなく、自動車産業にとっても重要な意味を持つフレーズとなっていくでしょう。
スマホの場合は5G対応後のデバイスチェンジを前に、既存のモデルに対する買い控えが今後明確化してくるでしょうし、自動車については目先の自動走行対応だけでなく、シェアリングへの移行も含めた消費行動の抜本的な変化を前に巨大なエアポケットが口を開けていそうです。
ここからしばらくは、数年後には後ずれした需要が大きな山となって控えていることはわかっているものの、取り合えず目先のブラックホールに足が竦む状況が続きます。
寺本名保美
(2019.04.15)
既得権益のない世代
政府が就職氷河期に当たった今の40歳代について支援を検討するそうです。
この世代が抱える問題については、ここ数年色々な場で議論されてきたようにも思います。
先日、弊社のセミナーでこの問題について少し触れたのですが、聞いていらっしゃったこの世代の方から、
「僕たちのような成功体験が全くない世代だからこそ、これからの日本の構造変化に貢献できると思う。だって既得権益とか変えたくないものなんて何もないから」
という感想をいただきました。
そうかもしれません。
政府の支援の方向性を間違えると、元も子もなくなる懸念もあるのですが、とにかく日本で最後の人口の山でもあるこの世代が元気になることこそ、今の日本の閉塞感を脱する鍵になるでしょう。
期待していいですか。
寺本名保美
(2019.04.12)
危険を回避するという決断
全てのリスク管理において想像力というものは一番大事なことです。
でもそれよりももっと大事なことは、想像できた危険を回避する決断をすることです。
2018年10月に行われた今回の安倍内閣の組閣は、想像力の欠如による失敗なのか、それとも決断力の弛緩による失敗なのかと、当時の思いつき 「やっぱりレームダック」を溜息をつきながら眺めています。
これで国会はまた空転。政治に対する国民の期待が低下しているのは日本だけではないとはいえ、国会がワイドショーネタに終始するのは、そろそろ打ち止めにしてもらえないものでしょうか。
寺本名保美
(2019.04.11)
大きければいいというものではない
東証の上場区分の変更議論について思うことは色々ありますが。
TOPIXや日経225といった、日本の株式指数が対外的にみて低迷しているのは、指数の構成が悪いからではなくて、指数を牽引している時価総額の大きな企業に魅力がないから、なのではないかと思っています。
東証自身の説明にもありますが、時価総額に足切りをして構成銘柄数が減少しても、時価総額ベースでは指数の9割以上が維持されます。つまり、組み入れ銘柄の足切りをしてもしなくても、TOPIXという指数の値動きには影響はない。裏を返せば足切りをしたところでTOPIXの魅力が増すわけではない、ということです。
まだまだ成長余力が残った特色のある中堅企業を排除し、大きいだけで魅力のない大企業だけになった上場市場に、本当に海外投資家資金は回帰するのでしょうか。
上場基準問題は、まだまだ議論が生煮えな気がしています。
寺本名保美
(2019.04.10)
母校の記憶
新5000円札が津田梅子さんになりました。
母校愛があるとは言い難い私ですが、大学経営の難しいこの時代に、地道にコツコツと頑張っている母校の関係者の方々を思いつつ、やはり嬉しく懐かしく思います。
そういえば、私の頃の1年次には「姿勢教育」という「歩き方を習う」必修科目がありました。
「社会に出てコピー1枚取るにしても、人が振り返るような美しい姿勢で歩きなさい。それが、あなたの評価に繋がります。」という講師の先生の言葉が、社会に出てからの私の生きる姿勢の一部を形成してきたようにも感じます。
車窓を流れる満開の桜を観ながら、母校への感謝に想いをはせる昼下がりです。
寺本名保美
(2019.04.09)
役者が上手すぎて観客は惑うばかり
米中の貿易交渉について、穿った見方をするならば、
「事前交渉が難航し、決裂の可能性もあるような、非常に困難な交渉を、両国首脳のギリギリの努力によって破断の危機を回避し合意に漕ぎつける」
とういう両国の首脳にとって、対内的なインパクトを最大化するシナリオが着々と進行中、というようにも見えないことはありません。
実際のところは、世界経済にとって切羽詰まった状況に面しているのかもしれませんが、良いも悪いも全てが信用できないトランプ大統領の言動と、良いも悪いも全く本音の見えない習近平国家主席の様相とが、むしろ危機感を緩和する演出に一役買っているように思えます。
足元で、米中関係が好転しそうだという観測記事が増えてきました。狸と狐の化かし合い。着地するまで安心は禁物です。
寺本名保美
(2019.04.08)
地球資源を賢く使うには
ノルウェーでの3月の新車販売の58%が純粋なEV(電気自動車)だったそうです。
2018年年間では31%、2017年が21%と、政府の目標としている2025年までに100%という数値に着実に近づいています。
3月の数値が突出しているのは、問題になっているテスラの未納部分の解消が始まったから、ということもあるようですが、それでも世界でのEVシェアは断トツ一位です。
これが世界有数の産油国であるノルウェーで起きている現象であることが面白いところで、ノルウェーが豊富な原油資源を活用し先進国中で最も廉価に電気を提供している国であることが、EVが浸透する機動力になっています。
一方で、世界最大の産油国となった米国では今だにガソリン食べ放題の大型車が幅を利かせていると聞きます。
貴重な地球資源を、賢く使う国もあれば、そうでない国もあるということです。
寺本名保美
(2019.04.05)
一円単位の調整は無理です
消費税引き上げ後の郵便代金「手紙84円・はがき63円」
覚えられません。
今でさえ、解らない。
まったく消費者目線がない。
わからないし、足りないと相手に迷惑が掛かると思って、とりあえず何にでも100円切手を貼ってしまうような雑な私には影響はないが。
こうして郵便離れが進むのだろうと勝手に想像しています。
もう少し工夫できないものですか?
寺本名保美
(2019.04.04)
いきなりの楽観
ビットコインという市場に格別の興味を持っているわけではないものの、現代の金融市場において「投機的心理」を表すシグナルとしては一定の役に立っているのではないかと思っています。
一昨年の年末に最高値を付けていらい、1年以上下げ続けてきたこの市場が足元で急反発をしているようです。
2018年の悲惨な一年を象徴するようなこの市場に投資資金が回帰していることは、この1-3月各国中銀による緩和策や財政政策が如何に投資家心理を好転させたかの一つの証左かもしれません。
IMFを含め、景気の先行きに対し警戒する発言が増えているのも事実ですが、一方で景気指標に底打ち感のでてきた中国や、7か月振りの高値を付けたFacebook株など、逆行高となっている経済や市場も散見されます。
投資家のリスク許容度の上昇と、エコノミストの景気見通しが、解離している現状を、どう判断するのか、難しいところではあります。
寺本名保美
(2019.04.03)
迷子
一日遅れましたが、2018年度がようやく終わりました。
締めてみれば、日本株以外は比較的好調で、資産構成のバランスを間違えなければ、想像していたよりは落ち着いた結果で終わりました。
さて新年度!
年度末の金利の急低下で、債券市場の残り少ない収益は刈りつくしてしまった感があります。
せっかく昨年10-12月の急落で、割高感が薄れた外国株も、この1-3月の反発で弊社の期待値は再びマイナス圏に逆戻りとなりました。
一人負けした国内株に行く気になるのにはもう少し時間が必要で。
さて新年度…
困った。どこに行こう。
寺本名保美
(2019.04.02)
新年度と新元号と身近な変化
今朝の電車で見かけた小学生が読んでいたのは「小学3年生からのプログラミング」という本。漢字にルビがふってあるけど、「プログラミング」の本。
六本木駅で、今まで身振り手振りで案内をしていた改札口にいたのは、流ちょうに英語で案内をする若い駅員さん。
そして我が家では介護事業者から派遣された「ヘルパー資格」を持ったフィリピンの方が、今日も母の傍にいてくれます。
年度が替わり、元号も決まり、大きく変化する世の中で、身近な世界も確実に劇的に変わりつつあることを実感した年度初です。
寺本名保美
(2019.04.01)