お疲れ様でした。来年も頑張りましょう~
あ~疲れた。
ようやく1年が終わります。
今年の年初が2,3年前に思えるほど、中身の濃い(苦笑)2013年でした。
色々なことが、大きく転換をはじめています。
これを何かの終わりのスタートとみるか、始まりのスタートとみるかは、捉え方次第でしょう。
90年代に流行った、創造的破壊、というフレーズは、創造の道筋のない単なる破壊で、終わってしまいました。
今回の転換点の次にある道筋が創造的なものか、破壊的なもので終わるのか、来年には何か見えてくるように思います。
勝負の2014年。
我々もがんばります!
本年は大変お世話になりました。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。
寺本名保美
(2013.12.27)
過保護は子供をダメにする
親の関与が強い子供は、いつまでも幼稚さが抜けないのと同様で、行政の関与が強すぎる業界は、いつまでも進歩しません。
このところ、日本の資産運用業界に対し、妙に行政の関与が強くなってきているように思います。
監督を厳しくする方面のことではなくて、通常のビジネスや投資方針に国が口を出してきているように思えるのです。
東証が新しい投資指標を作ったり、金融庁がスチュワードシップコードを管理したり、投資家が投資家として自らの当然の責任と判断において行うべきことに、公がガイドラインを書いてあげるような行為が目につきます。
唯でさえ、護送船団のような資産運用業界に、道路を敷いてあげるようなことを始めると、彼らはますます自分の頭でモノを考えなくなります。
資産運用業界に国全体としての興味が出てきていることはよいことだと思うのですが、日本経済が、資産運用業界の力を今後本当に必要とするのであれば、過干渉は控えて欲しいと思います。
寺本名保美
(2013.12.26)
クリスマスなので景気のよい話…
先日ある方と、「弊社の来年以降の景気判断は他の運用機関より強いかもしれない」という話をしたところ、「それは珍しい、創業来初めてでしょう(笑)」と言われました。
そういえば、1998年の創業以降今年まで、ず~とデフレのゼロ成長で、強気の景気判断などする余地はなかったわけで、おっしゃることは極めて正しい…
日本の年金の運用自由化のタイミングといい、弊社の設立のタイミングといい、ある意味において最悪だった15年がようやく終わる、かもしれない、とかすかに期待をしています。
夢物語ではなくなりつつある米国発のエネルギー革命。
潤沢な企業の内部留保と、比較的健全な銀行の与信余力に裏打ちされた、民間の大規模開発計画。
リストラや事業再編、増配や自社株買、といったバランスシートを右左にすることでの株式価値の底上げ、ではなくて、企業が企業としてリスクをとって成長を目指すという本来のステージに入る地合いが整いつつあるように思うのです。
株価というのは結果です。
単なる買われ過ぎや売られ過ぎの調整ではなく、「業績と景気の結果としての株価」という本来の姿に戻れるかどうか、来年は大きな転換期となりそうな予感がします。
寺本名保美
(2013.12.25)
消費癖のある5億人
今年も残すところあと4日となりました。
アベノミクスで明け、QEで振り回され、エマージングで落ち込んで、米国で復活した金融市場の一年が終わります。
この1~2年、日本の外交経済の視線を、やや太平洋側に修正すべきなのではないかと思ってきました。
人々の大好きな「人口増」にしても、一人当たり可処分所得の小さい地域での10億と、可処分所得のベースができている5億とを、同じ基準で判断することはできません。
どちらを優先するか、ということではなく、バランスの問題だとは思うのですが、数年前までの「アジアの人口が世界を救う」的な発想は、どこか歪んでいるように感じていました。
さて、来年。
資産価格の下落の影響もあり、中国をはじめアジア諸国が世界の消費の中心に返り咲くには、まだ時間が掛かりそうです。
当面は、消費癖のついている米国地域の消費者の復活に期待することになるのでしょうか。
米国のクリスマス商戦に期待を込めて、メリークリスマス!
寺本名保美
(2013.12.24)
この国は何をしたいのか…
①グーグルがロボット開発会社を買収しました。すでに複数のロボット関連会社の買収を終えています。
②今年一月に、米国が長期戦略プロジェクトとして、「10年後までに脳の機能の全容を解明する」と発表しました。
①と②が、どういうわけか頭の中でリンクしてしまい、少し嫌な気分です。
米国経済の復活。ドル価値の安定。間違いなく良いことです。
良いことなのですが、この国が強くなるということは、こういうことへの心配も増加する、ということなのだと、改めて認識してしまいます。
借金だらけで、他国の皆様のご機嫌を多少なりともうかがっているぐらいの米国の方が、世界の平和にとっては心地よいかもしれません。
寺本名保美
(2013.12.20)
舵が切られた日
バーナンキ議長は、緩和縮小の道筋を作って、無事にご勇退です。
金融危機後に、お金をばら撒くヘリコプターと揶揄されながらも、実態経済の断絶を繋ぐという意味において、着地も含め合格点だったのではないかと思います。
もちろん合格点であったのは、米国国内においてだけの話で、この間の金融政策がこれまでそして今後の新興国経済に残す影響を考えると益より害の方が多かったかもしれません。
現議長の信任が厚すぎることは次の議長への不安を高めることになるので、バーナンキさん程度の功罪半ばの評価での退任は、市場にとってはある意味心地よいパターンでもあります。
但し、今日のところは、材料出尽くした形で、リスクオンになっていますが、今日の反応が量的緩和縮小の今後を示唆していると思うのは大間違いです。
金融市場全体にとって、大きく舵が切られた日であることは、忘れないようにしたいと思います。
寺本名保美
(2013.12.19)
運用を放置しない
総合型厚生年金基金において、代行部分の返上や解散などのリフォームの議論が行われています。
持続的に維持できる制度への改正について、前向きに検討していくのはよいこととして、制度改正の狭間での資産運用について、一つだけ懸念があります。
何等かの形で国に資産を返還することを決定するプロセスに入ってから実際の返還確定日までの期間について、運用を放置することはとても危険です。
GPIFに追随するだけ、であったとしても、「真剣に追随」していかなければ負けていきます。
運用は生ものです。
放置すれば腐りますし、手綱を緩めればまたぞろ誰かにつけこまれます。
例え、半年であっても1年であっても2年であっても、運用は運用です。手を抜いてはいけません。
我々も運用会社も含め、気を緩めることなく、運用に向かっていかなければ思っています。
寺本名保美
(2013.12.18)
相対感としての好景気から絶対値としての好景気へ
昨晩、マイナス5度のニューヨークからプラス5度の東京に着いて、暖かい…と思いました。
東京に居たままの状態でマイナス5度を経験するのとは、かなり違います。
というように、絶対値での認識と相対感での認識との誤差は物事全般に存在するものです。
今回の米国、一か月前の英国と訪問して、ファンドマネージャーの「景気」についての認識が外から見ているよりも強かったことが印象に残りました。
これが、外からは捕えきれていない「絶対値」としての強さを表しているのか、中の人だからこそ感じる「相対値」としての強さに過ぎないのか、微妙なところです。
英国・欧州にはまだ疑問の余地があるにせよ、少なくても米国に関しては、相対感から絶対値としての強さに変わる兆しを信じてみようかと思う、出張でした。
寺本名保美
(2013.12.17)
脱官入民
予想通り雪と寒波のニューヨークです。
一方、市場関係者の発言は予想以上に温暖です。
来週にでも、QEの縮小が発表されるかもしれない、というタイミングでのミーティングでしたが、株式関係者はあまり気にしている様子もありません。
日本を含めてですが、市場関係者の興味が、そろそろ「官」から「民」へ変化してきているように思います。
この数年、ブレーキもアクセルも政府中銀頼みだった状況から、企業活動中心の経済動体へ戻る兆しが感じられます。
米国株式市場が上手くQEショックから抜けられれば、次に期待されるのは、日本企業のアベノミクス依存からの脱皮です。
来年は、日米欧ともに、脱官入民が試される1年になるのかもしれません。
寺本名保美
(2013.12.15)
ちょこっとアメリカ
東京も、この数日で、随分寒くなりました。
でも、私はこれから、寒波がきてるらしい米国へ、行ってきます…
寒そうなので、すぐに帰ってきます。
クリスマスセール中ですが、ウロウロしません…
ということで、来週月曜まで、思いつきはおやすみです。
寺本名保美
(2013.12.12)
なんでもかんでも2015年
色々なことが決まっていくこの12月。
米国ではボルカールールは、とりあえず市場コンセンサスの範囲内で実施は2年後。
1月に山場となると思われていた財政協議は2年間先延ばしで与野党合意。
日本の消費税の軽減税率問題は、消費税10%引上げ時という注釈つきで、これも早くて2年後。
もしかすると来週に一部縮小するかもしれない米国の量的緩和ですが、実際に利上げにまで転じるのは早くて2015年。
今よりも2年後の方が状況が好転していることを前提とした先延ばし。
ということで、2015年とはどのような年になるのかと、来年のことを語ると鬼が笑う年の瀬。再来年のことを語ると子鬼がラインダンスをしそうなので、このへんで。
寺本名保美
(2013.12.11)
マーケットメーカーというもの
今晩、米国でボルカールールの承認についての採決が行われます。
詳細はまだ発表されていませんが、欧米のメディアによれば、銀行【いわゆる従来の投資銀行】の自己取引を大幅に規制するとともに、顧客のためのマーケットメイク、と呼ばれる取引についても、実質的に制限される内容になるだろう、といわれています。
このマーケットメイク、という表現は一般的には判りにくいですが、簡単に言ってしまえば、私的取引所機能、ということです。
株式のように取引所上場が原則の資産ではない、債券系の資産を売買する際、投資家は銀行や証券会社を相手方として売買を行います。
銀行や証券会社は、投資家からの売買注文に対し、自ら売値や買値を提示し、自己のリスクとして売買の相手方となることを、マーケットメイクといいます。
リーマンショックの時、安全であるはずの債券・金利市場が、株式に勝るとも劣らない大暴落となったのは、このマーケットメイク機能が一時的に停止したからとも言われています。
もちろん、リーマン破たんの時のような突然死を迎えるわけではないので、金融危機になるようなリスクはありません。
ただ、債券市場、特に流動性の劣るクレジット市場等については、これが緩やかな停滞の始まりになるリスクはあります。
金利上昇局面でのマーケットメーカーの撤退。
債券戦略全般にとってあまりよいシナリオではありません。
寺本名保美
(2013.12.10)
暫しの我慢
シンガポールで40年ぶりに暴動が起きました。
ウクライナでは反政府デモが緊迫しています。
タイ情勢は流動的で、偉大な近代建国の父を失った南アフリカの今後も心配です。
景気後退懸念が根強い韓国は大丈夫でしょうか。
新興国の歯車が狂い始めています。
狂った歯車を修正するには「好景気」が必要です。
現在世界の好景気を過度に新興国に依存するステージが終わり、とりあえず先進国を梃子とした好景気を期待するステージへの過渡期にあります。
この過渡期が過ぎて、先進国の好景気がグローバルに波及効果を及ぼすようになれば、新興国経済も落ち着いてきます。
米国をはじめとする先進国の景気拡大は、必ず新興国にとってもプラスになります。
新興国の人々にとっても、政府にとっても、新興国への投資家にとっても、ここは暫し我慢です。
寺本名保美
(2013.12.09)
新興国株の出遅れ
今年の4月から11月までを通してみると、先進国株式のインデックスと新興国株式のインデックスとの間で16%以上の開きができてしまいました。
5月からの急落を8-9月で一部取り戻したものの、11月の上昇相場には乗り切れず、差か再び拡大しています。
QEの停止騒ぎでの下落局面で、先進国より大きく下がるのは仕方ないにしても、11月のようなリスクオンの場面で戻り切れないことに、やや懸念があります。
パフォーマンスドリブンの投資家資金の流出に拍車が掛からなければよいのですが。
寺本名保美
(2013.12.06)
清貧?
LIBORから始まった、銀行間取引レートの不正事件ですが、EUが「不正操作」ではなく、「カルテル」として欧米金融機関6社に2300億円相当の制裁金を科したそうです。
賢い…
このところこれら欧米金融機関に課せられた、各種?制裁金を積み上げると、兆円規模になりそうで、結局サブプライムショック以降の金融機関救済で使った税金は、安値で引き取った金融商品の値上がりも含めれば、回収できてしまいそうな勢いです。
それでも経営が立ち行かなくはならない金融機関の収益構造は恐るべし。
それに比べ、資産運用業界の収益構造の貧弱なこと…
まぁ清貧ということで。
寺本名保美
(2013.12.05)
養殖で万歳!
一昨日のNY引け間際から、どうも様子がおかしい株式市場。
上がるのに理由がなかった市場は、下がるのにも理由がないのは、いつもの通り。
後付けで何か大きな理由が見えてこない限りは、慌てず静観です。
ところで、2006年に「養殖でがまん」という文章を書きました⇒ 過去の思いつき
「近大マグロ」という名称がテレビや雑誌で取り上げられることが多くなりました。卵からの完全養殖のマグロだそうです。
2006年当時は全く知りませんでしたが、なんと1970年から水産資源の枯渇を想定した養殖事業を研究してきた方々の存在を知り、心から尊敬します。
遠くまで獲りに行って、ご近所さんと揉めるより、高大な海の畑を活用した方が、国全体からみた費用対効果もよさそうではありませんか。
養殖でがまん…などとんでもない。養殖で万歳!に訂正です(汗)
寺本名保美
(2013.12.04)
名前を変えても経営は変わらない
資産運用業界でも、時々ありますが、不祥事を起こした会社が、社名を変えるのは何故なのか、と思います。
社名を変えたら、過去を知らずに、間違って契約してくれる人でもいると思っているのかと、怒りすら感じます。
そういう神経だから、不祥事を起こすのだということを、多分経営者達が全く認識していない。
そして、そういう経営者のいる会社は、多分何度でも同じことを繰り返します。
不祥事を繰り返す会社には、繰り返す理由がある、という一例です。
寺本名保美
(2013.12.03)
気のせいですが
運用環境として、絶好調に11月末を迎え、お天気もよく、久しぶりに時間も空き、しかし、どうも気分がすっきりしない月曜日です。
気分が悪い、というか、機嫌が悪いというか。
なんだかモヤモヤします。
リバランスをしましょう、と言い切るほどの確信度は何もなく、具体的に説明できるようなリスクを感じているわけでもないのですが、どこかで足元をすくわれそうな感触があります。
今年度については、基本的には「乱高下前提での上昇基調」というのがポートフォリオ構成のメインシナリオで、お客様のポートフォリオもここで慌てて何かしなければいけないような状況にはなっていないのですが、背中がどうもザワザワします。
すみません。根拠はありません。たぶん、気のせいです。
寺本名保美
(2013.12.02)