どちらを切り捨てる?
トランプ次期大統領が、政府効率化省(DOGE)を設立し、イーロン・マスク氏が新省を統括すると言っているらしいです。
政府を効率化し、無駄な支出を減らし、連邦政府機関を再構築するとのことで、イーロンマスク氏は業務の効率化等により、連邦予算の2兆ドルを削減することができる、と発言しています。
現実に目を向けると、米国の非農業雇用者数約1億4千万人のうち約15%に当たる2200万人程度が政府系機関の職員となります。イーロンマスク氏が新しいテックを駆使し、政府業務の効率化を推進することは可能であるような気もしますが、それによって2200万の安定雇用のどの程度が影響を受けるのかが気になります。
メディケアやメディケイドといった低所得者用の医療サービスも削減のターゲットとなるとの観測も含め、マスク氏にとって「無駄なこと」が、今回トランプ氏を支持した多くの国民を切り捨てることになる可能性も否定できません。
トランプ氏を次期大統領としたことは、大手企業とその雇用者にとっては経済合理的な選択であったと思う一方で、消費者目線で見た場合はあまり良い選択肢ではなかったような気がしています。
今後トランプ氏から国民の気持ちが離れてきた時、切り捨てられるのはマスク氏か、はたまた国民か。
両極を抱え込んだトランプ氏、八方塞がりになるリスクも少し考えておきたいと思います。
(2024.11.13)
奇才2人
イーロンマスク氏と組んだトランプ氏が大統領選の勝者となったようです。
ある意味、今の時代を象徴する選挙だったのかもしれません。
彼がトランプ氏の支援者なのか?トランプ氏が彼の支援者なのか?同床異夢の奇才達が、これから世界をどう動かしていこうとしているのか、だれも予測がつきません。
国境意識が薄いまま宇宙空間のプラットフォームを握りつつあるマスク氏を、曲がりなりにも米国政権に囲いこめたということが、今回の選挙結果でもっとも評価すべきプラスポイントであるような気がしています。
いずれにしても、これからの金融市場もまた、制御不能のジャイアン2人にf振り回される日々となりそうです。
寺本名保美
(2024.11.06)