2024年08月の思いつき


お疲れ様でした

お盆休暇中に発表された岸田総理の不出馬宣言。

やっぱり、岸田首相は最後まで面白い。

周りに根回しなく、根回しをさせる時間を与えることもなく、極めて重大な決断をし続けてきた岸田政権には相応しい終わり方でした。

岸田政権の功績は、あちらこちらの導管の目詰まりを掘削やバイパスや時には爆破で、とにかく解消したところにあります。

目詰まりを解消しただけなので目新しい政策はなく、突貫工事による弊害もあり、急に流れが変わったことによる不満もあり、国民の支持を受けにくい政権ではあったものの、少なくても日本経済にとって非常に意味のある3年だったと思います。

とはいえ、目詰まりが解消された導管に、何を流すのかはこれからの課題です。流すものが干からびてしまっていた、という結論もなくはありません。最も難題であるそこに手を付けることなく、自らの突貫工事の成果を確認することなく、あっさりと退陣を決めてしまう淡泊さを、無責任とみるか、潔いとみるかは、後世の評価に委ねることになるでしょう。

個人的には過去の怨念や自らの信念への拘りを感じずに、淡々と決断していった岸田政権は嫌いではありませんでしたし、海外投資家の反応も概ね似たようなものだったと感じています。

さて岸田政権の置き土産となった乱立気味の総裁選。これもまた面白い展開になりそうです。

寺本名保美

(2024.08.19)



最大被害の想定をする。

お盆休みを前にした、南海トラフ巨大地震への注意報で、予定していた旅行をどうするか、と我が家周辺でもちょっとした騒動となっています。

私が若いママパパに言ってあげられることは、こんなことはこれからのあなた方、そして子供たち、の人生において何度でも繰り返される。そもそもこうした警報や注意喚起のどれが当たりになるのか、そもそも安全だと言える時期などあるのか、などということを考えたところで正解などどこにもない。
貴方達家族のこれからの人生は、この大きな大きな不確実性をの上を歩んでいくことになる。だからと言って生活全てが委縮してしまう必要はなくて、その不確実性を前提とした、何等かの行動ルールを決めていけばいい。政府や自治体から何等かの警報が出ている期間は旅行はしない、とか、日本のどこかで少し大きな地震があったら1か月間は注意して生活する、とか。一旦ブレーキを掛ける基準を作っておくことで、逆に平時の生活の自由度を増すことができるようになる。

運用の不確実性に備えるリスク管理も、天災等の不確実性に備える生活上のリスク管理も、基本は全く一緒です。
何か大きなリスクイベントが発生する可能性があるからといって、運用をしないという選択肢はありません。リスクイベントがいつ来るかを事前に完全に予測することもできません。だから想定されるリスクイベントごとに最大被害のシミュレーションを行って、震源地毎にリスクを落とすべき資産と避難先を事前に設定し、兆候が見えたと感じた時に避難を開始する判断をするための組織的なプロセスを確立しておくことが大切なのです。

この数週間の市場変動は、こうした準備が十分であるかどうかを確認するきっかけとしては十分なマグニチュードがありました。
慌てる必要はありませんが、何が一番儲かるか、ではなくて、何が一番損するか、を考えたポートフォリオの見直しをし始めるにはよいタイミングなのではないかと思っています。

今週木曜日まで、弊社はシステムメンテナンス及び夏季休暇で事務所はお休みとなります。緊急なご用件につきましては、メールにてご連絡いただけますようお願い申し上げます。
安全で、健やかな、お盆休みとなりますように。

寺本名保美

(2024.08.13)


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