再掲と確認
1ヵ月前の投稿を再掲します。
今出来ることは何もありません。次の局面展開を考えつつ、見落としているリスクがないかを確認しています。
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非日常への備え
非日常のリスクが発生する可能性がみえた時、大切なことはそれが現実になる前に対処をすることです。
非日常であるということは、それが現実になった時、大なり小なりのパニックが起きるということです。
一旦パニックが起きてしまったら、できることは何もなく、ましてやパニックの最中にリスク資産を売ることほど非合理的な投資行動はありません。
今できることは、万が一のリスクシナリオにおいて、自分の取っている今のリスクが維持可能な水準であるのかを確認することです。
もし、リスクが過剰であると思うなら、市場が平穏であるうちに処理をしておくべきです。
何もなければそれでいい。何か起きた時、下値で叩き売る事を回避する事だけを考えたいと思います。(2020.01.28)
寺本名保美
(2020.02.28)
ジャブジャブ
ドイツの財務大臣が憲法で規定されている「債務ブレーキルール」を一時停止する意向を示したと報じられています。
昨年から噂されてきたドイツにおける財政拡張政策の現実性が高まってきているということでしょう。
欧州についてはイタリアのコロナ問題も加わり、金融政策だけで景気悪化局面を乗り切れるかどうか怪しくなってきたタイミングでもあったことから、欧州中銀総裁はこの報道を歓迎するとコメントしたようです。
ドイツの財政拡張がどの程度の規模になるかにもよりますが、米国10年金利が足元で急激に低下しているのに比べ、欧州金利の低下幅が緩やかであるのには、財政拡大による将来の金利上昇リスクを市場が意識しているのも一因だと思われます。
米国は利下げ、欧州は財政拡大、日本はリスク資産の買入による量的緩和。
金融市場の未曾有の水膨れが解消される日は、またまた遠のいてしまったようです。
寺本名保美
(2020.02.27)
国難と選挙
米国においても、新型コロナウィルスへの警戒が強まってきました。
大統領選挙の年の大きな災いは、時として選挙の結果を劇的に動かすことがあります。
2008年、リーマンショックがなかったら、あのドラマティックですらあったオバマ政権は誕生していたでしょうか。
2012年、再任はほぼないと言われていたオバマ大統領は、歴史的なハリケーン被害後、劇的な形勢逆転を果たしました。
2016年、イギリスの歴史を動かした国民投票の熱は、半年後アメリカでトランプ大統領を生む原動力の一つとなりました。
さて、2020年
一般的に国難は現職有利の風になる、と言われますが、これも対応を間違わない限りにおいて、です。
コロナショックがアメリカでジワジワ広がっていく中、サンダース氏の支持率がジリジリ上がっていることが、気になり始めたところです。
寺本名保美
(2020.02.26)
お知らせ
弊社業務につきまして、明日より来週一杯の予定で、時差勤務及びテレワーク体制といたします。
会社には必ず誰かはいますが、ご連絡事項等につきましてはメールにてお願いできればと思います。
メールでの対応であっても、実務上は通常通りの業務ができる体制となっておりますので、ご迷惑をおかけいたしますがよろしくお願いいたします。
足元での株式市場の下落については、今のところ新型コロナウイルス問題の景況感への懸念が半分、バリエーション調整が半分というところでしょうか。
単なる株式のバリエーション調整で終わることがベストシナリオですが、シナリオの変化についてはクレジットや新興市場の動向を見ながら考えていきたいと思います。
くれぐれも皆様ご自愛くださいますよう。
寺本名保美
(2020.02.25)
3月9日のセミナーは延期いたします
3月9日に予定しておりました資産運用セミナーを延期させていただくこととなりました。
ご出席を予定されていた皆様にはご迷惑をおかけして申し訳ありません。
2009年の新型インフルエンザの際の日本政府の対応は、後日やや厳しすぎたという指摘もあったようで、そのことが今回却って緩すぎるように感じてしまう対応の背景にあるのかもしれないとも思っています。
一方で2009年の対応の総括において、だからこそ日本における新型インフルエンザの死亡率は他国より低かったという評価もあるわけで、どちらが正しいというよりは、何を最優先とするか、という問題なのでしょう。
金融市場的にみるならば、日本よりも経済体力が落ちていた韓国での拡大の方が潜在リスクとしては大きいと認識すべきです。
セミナーはできませんが、この場を含めて必要な情報発信は強化していこうと思っていますので、どうぞよろしくお願いいたします。
寺本名保美
(2020.02.21)
災い転じて
今回のコロナウィルス問題が、テレワークに代表される社会のデジタル化の進捗を加速することになりそうです。
それがデジタル化の加速で済む話であれはよいのですが、人と人とのアナログな接触を伴うサービス全体を変質させてしまう可能性も否定できないように思います。
今回の混乱の火元である中国は、そもそもデジタル社会の先頭を走る一角であったわけで、今の状況はある意味においてサービスのデジタル化における壮大な実証実験を行なっているともいえます。
騒動が鎮静化したあとの世界で、中国の存在感がむしろ増していた、ということもなくは無さそうです。
寺本名保美
(2020.02.20)
中途半端な方がまだ悪い
不要不急という単語、今年のトレンドワードになるかもしれません。
過度な自粛は良くないと言いますが、感染防止にもならず気分だけを暗くする中途半端な自粛の方が副作用は大きいようにも思います。
災害対策の基本は、早めの周知と、退避行動の徹底です。
状況の変化の後を追って、対応を小出しにすることに、何のメリットもありません。
不要不急などという、解釈次第の言葉を使っているうちは、混乱が増すばかりです。
寺本名保美
(2020.02.18)
弱いところはより弱く、強いところはより強く
今回のコロナウイルス問題のような強いストレスが掛かると、それぞれの市場の潜在的な脆弱性が浮かびでてくるものです。
昨晩からの欧州の動きを見てみると、欧州景気の足腰の弱さが如実に評価されたように思えます。
これは企業レベルでも同様で、日本についていうなら3月末の期越えの資金調達を巡って、大きな波乱が起きるかもしれません。
逆にいうなら、多少のストレスでは微動だにしない巨大企業に過剰流動性は集中するということになり、割高な物はより割高に買い進まれる可能性があるということです。
市場の方向性だけでなく、個別銘柄選択でのリスクの取り方も難しい局面になっています。
寺本名保美
(2020.02.14)
ほのぼの
ここから先、数ヶ月後の展開が、社会的にも経済的にも全く読めない不安の中で、国会中継のあまりの平和さにほのぼのとしてしまう今日この頃。
与党も野党も全員クビ!
寺本名保美
(2020.02.13)
違和感
先月末から四半期報告会で運用機関の話を継続的に聞いていると、運用方針における新型コロナウイルス問題の取り扱いが、日ごと変化していくことがわかります。
新聞などの市況コメントを読んでいると、如何にも中国でのピークアウトを織り込んで楽観的になっているように見えますが、実際のところは経済への影響への深刻度への警戒は明らかに強まっています。
この話が出てきた時も書きましたが、だからこそ世界の中央銀行の量的緩和期待は当面継続するということになり、質の悪い市場流動性相場は復活しつつあります。
米国の大領領選挙の年は株式が崩れないと言いますが、2008年のリーマンショックは大統領選挙の直前に発生しました。あの時も大統領選挙の前で且つサブプライムショック対応での金融緩和もあり外部要因を無視した上昇相場が続いていたことを思い出しています。
悪いことばかりを並べて申し訳ないのですが、株式市場だけを見ていると見誤ることもあります。
寺本名保美
(2020.02.12)
財務の脆弱性
感覚的な話で申し訳ないのですが、今回の新型コロナウイルス問題を当初SARSと比較してしまったことから、様々なボタンの掛け違いが起きているように思えます。
致死率の高い感染症であれば局所的な封じ込めと水際対策がメインシナリオで、致死率はそれほどではないが感染率が高いインフルエンザのような形態であるなら2009年のような集団感染を防止するための措置が必要になるでしょう。
今の状況は、局所的な封じ込めが効かず、だからといって集団感染の防止にも展開できていない、ひどく中途半端な状況に陥っているような気がしてなりません。
株式市場も同様で、2003年のSARSを年頭においた経済インパクトを想定しているから状況認識が遅いのであって、ここから先の健康な人々の行動制限が及ぼす影響については全く織り込めていないのが現状です。
人とモノの移動が一定期間制限を受けるような社会状況になった時、国であろうと企業であろうと財務的な問題を抱えているところに取り返しのつかないダメージを与える可能性があります。
ポートフォリオリスクをもう一度、見直してみたほうが良いのではないかと考えています。
寺本名保美
(2020.02.10)
事業の命は短くて
我が国のキャッシュレス決済の先駆けと称されていたORIGAMIがメルカリに吸収合併されました。
DNaが作ったタクシー配車アプリは全国展開からわずか一年で日交系列に統合されました。
アイディアの事業化のスピードが加速する一方で、アイディアのコモディティー化のスピードも加速します。
一旦コモディティー化してしまった事業はあっという間に資本力勝負となり、撤退タイミングの判断ミスは企業の存続に関わります。
ここから先、国内外問わず、大小問わず、著名企業の突然死には要注意です。
寺本名保美
(2020.02.07)
クライマーズハイ
クライマーズハイ。登山者の高揚感が極限に達し恐怖感が喪失してしまう状況。
本来感じるべき恐怖感を感じなくなることで過度にリスク選好的になり、本来のリスク回避判断が適切に行われなくなる。
クライマーズハイの裏側にあるのは、直視し難い恐怖。
今必要なことは、勇気を持ってリスクを直視することだと私は思います。
寺本名保美
(2020.02.06)
次のチェンジ
この10年、米国の大統領選挙は、チェンジ、が大きなテーマとなってきました。
オバマ大統領に政策のチェンジを期待し、トランプ大統領に政治手法のチェンジを期待し、次に期待するとするならばジェネレーションのチェンジかもしれないと思っています。
それが今回の選挙なのか、四年後なのかはわかりません。
ただ、昨日のアイオワ州での民主党大会を見ていると、意外に早く次のチェンジの波が来るかもしれないとも思います。
日本の政治のジェネレーションチェンジは、未だ少し先になりそうですが。
寺本名保美
(2020.02.05)
スキルを役所から教えてもらう業界
今朝の日経新聞を読んでいて、この国の資産運用業界というものに対して絶望に似た気分に陥りました。
記事の書き方の問題かもしれませんが、、、
投信の手数料が下がったから手数料率の高い代替投資に走る資産運用会社。
運用能力に問題があるので、金融庁が運用と経営ノウハウを指導することにした資産運用会社。
こんな記事を見て、海外投資家は日本の運用会社に資金を預けようと思うのか。
こんな記事を見て、日本の個人が金融資産投資を始めようと思うのか。
私は一体いつまでこんなことを書き続けなければいけないのか。
個人の投資教育より前に運用機関の教育が必要である、という点において、悲しいかな金融庁のこの越権とも思える方針が正しいということになってしまいます。
寺本名保美
(2020.02.04)
新たな火種の始まり
コロナウィルス騒動で注目度が薄れてしまいましたが、2016年6月から市場を揺るがしてきた英国のEU離脱が実行されました。
とはいえ、あと1年間の移行期間があるので、離脱が実行されたというよりも、完全離脱の期限が今年12月と確定した、と表現した方が正確かもしれません。
つまりあと1年、ハードブレグジットへの懸念と議論は、これまでと比べより具体性をもった材料として、金融市場を揺るがすことになります。
スコットランドなどの独立運動の活発化という新たな火種も加わり、英国と欧州にとっては、落ち着かない1年の始まりです。
寺本名保美
(2020.02.03)