無くなる不安・高まる不安
一昨日のFacebookに続き、昨日のAmazonも含め、ネット関連企業の決算は非常に順調に伸びていることが確認されました。
足元で欧州中心に議論されている、プラットホームビジネスへの規制強化の話しが、こうした企業にとってどの程度の制約要因となるのかが懸念されてはいるものの、あまりに強い業績がこうした不安を打ち消してくれているようです。
一方で、長期金利が急騰している中で開催された欧州中銀と日本銀行の政策決定会合については、金利上昇や対米貿易問題によって悪化した市場センチメントに配慮するような文言となり、債券市場発の不安心理も一定の沈静化をみせています。
さて、残るは地政学リスク。
朝鮮半島の平和への期待もありますが、この平和が日本にとって本当にプラスとなるものなのか、今一つよく見えて来ません。
国際社会における日本の地盤沈下が、そのまま国際経済における地盤沈下に繋がってしまう不安だけは、日々高まっていくのは杞憂なのでしょうか。
寺本名保美
(2018.04.27)
ここでも囲まれた
人間ドックにきています。
アジアからの団体さんに囲まれています。
人間ドックツアーって、本当にあるんだ…
千客万来。
最近どこにいっても囲まれる。
寺本名保美
(2018.04.26)
債券がわからない金融機関?
米国金利が上昇して、地方金融機関に含み損ができて、「やはり債券投資は難しい」等というコメントを金融機関の経営者が呟いてしまう現実が、なんとも情けなく腹立たしい。
国内金利が低位に張り付いて動かない状態があまりにも長く続き過ぎて、金利というものの理屈や、債券市場の特性を、実体として理解できない「金融業界」の人間が増え過ぎた、ということでしょう。
どんなに小さかろうが、銀行というのは「金利」と「信用」で商売をする業態であることは厳然たる事実です。
その銀行が金利や債券は難しいというのなら、もう金融機関止めたほがいい。
少なくても顧客に投信を売るなんてもっての外!
と思いませんか?
寺本名保美
(2018.04.25)
振り子が振れる
心配されていた米国のネット関連企業の決算が始まり、比較的順調な内容に一安心する一方、これで米国の長期金利の3%超えを遮るものがとうとう無くなってしまったかもしれません。
先月末まで為替市場ではドルショートの投機ポジションの偏りが話題になっていました。
きっかけは昨年末の米国の大規模減税による財政収支の悪化。
トランプ大統領の通商政策によるドル安誘導期待。
そして、Facebookショックによるネット関連銘柄の業績悪化懸念。
約3カ月続いた収支をテーマとした為替相場が、再び金利差に戻りつつあります。
積み上がったドルショートがどう転がっていくのか、金利と為替のボラティリティには注意が必要かもしれません。
寺本名保美
(2018.04.24)
景色が変わる?
長期金利の上昇が続いています。
欧州中央銀行の強気な発言に加え、トランプ政権への不安が一巡したことで、米国の利上げに対する不透明要素が減少したことも一因です。
このままいけばゴールデンウィーク明けには、米国の10年金利が3%超えで定着していることも想定にいれなければいけないかもしれません。
今年のゴールデンウイークは、政治的にも金融政策的にも、波乱がありそうなきもしています。
上か下かはわかりませんが、休み明けに景色が変わってしまっていることも想定しつつ、足元のリスクを点検しておいたほうがよさそうです。
寺本名保美
(2018.04.23)
当然の帰結
自動車とか、鉄鋼とか、アルミとか、色々言ってはいるものの、結局トランプ大統領が日本に買ってもらいたいものは、防衛関連の最新鋭機という当たり前の結論が見えてきました。
米国において唯一輸出競争力があり、貿易黒字を稼ぐ力があるのは、今のところ、戦闘機やミサイルなどの防衛関連しかないのです。
数字としての結果を重視するトランプ大統領が貿易赤字を手っ取り早く改善しようと思うなら、軍需産業にコミットするのは当然の帰結です。
米国経済は軍事的緊張がある環境の方が堅調であると言うロジックは今でも米国の経済学者には一定の支持があるように思います。
トランプ大統領の中間選挙対策に、どうやら日本は一つのパーツとして、しっかり組み込まれてしまっているようです。
寺本名保美
(2018.04.20)
何かおきそう
日米首脳会談が終わり記者会見も終わりましたが、何のための主脳会談であったのか、よくわかりません。
両国首脳が費やした時間はかなり長かったと思われるものの、その時間に見合った成果や合意があったのかなかったのかもよくわかりません。
そういえば、中国の習近平国家が北朝鮮に行くと報じられてます。
水面下で何が大きなことが動き始めているような気がしてならないのですが。
寺本名保美
(2018.04.19)
まさかのもしか
朝鮮半島の休戦協定が平和協定に変わる可能性が議論されています。トランプ大統領も「朝鮮戦争の終戦に向けての議論」という発言をしてます。
現在の米国と北朝鮮と韓国の政権において、このことが実現するということを事前に想像した人は世界中に殆どいなかったことでしょう。
ある意味、国際政治における今世紀最大のサプライズかもしれません。
38度線がなくなったらば、南北の人々は自由に往来するようになり、情報統制は無くなるのでしょうか?
東西ドイツの統一の様に、韓国経済が北朝鮮の労働力を取り込んで拡大していくのでしょうか?
まさかとは思うものの、もしかすると、とも思い始めています。
寺本名保美
(2018.04.18)
働くには相手がいる
家人の入院先の大学病院に18時過ぎに行くと、患者さんの居なくなった待合室に大勢のスーツ姿が座っているのを毎日見かけます。
お目当ての先生の診療が終わるのを待っての営業なのでしょう。
そんな時間からの営業活動の労働時間管理はどうなっているのだろう、と思いつつ、そんな時間まで診察室から出てこられない先生方の労働時間も気に掛かり、だからといって患者の立場からすればそんな時間まで診察をしてくれるお医者様はありがたい。
働くということは、何にしても相手がいるということで、「働き方改革」の道のりは、果てしなく遠いと実感する今日この頃です。
寺本名保美
(2018.04.17)
誰につくのか
米国と中国が世界のイニシアチブを掌握しつつあるようにみえてなりません。
日本だけでなく、ロシアまでも、この二カ国に振り回されています。
ドイツを始めとする欧州がブレグジットを抱え、域内を固めることに気をとられているのも、この二大国の台頭を許す原因ともなっています。
米中が元気であることは経済的にはプラスです。
一方で、経済的に安定し、怖いもの知らずとなった米中ほど、国際社会にとって厄介なものはありません。
ここから先、日本は誰と近づき、誰と距離をとって行くのか。等距離を保つことすら困難になっていくなか、付く相手次第で我が国の未来は大きく変わってしまうことになりそうな、嫌な感触があります。
寺本名保美
(2018.04.16)
移動につき本日休載
すみません。書きたいことはあるので明日更新します。
(2018.04.13)
再任リスク?
たとえそれが本当は合理的な決断であったとしても、トランプ大統領が関わると、そのどれもが子供じみた駄々に見えてしまうのは、困ったことです。
シリアへの空爆にしても、トランプ大統領が実弾実射をしたくて仕方がないだけのようにも思えてしまいます。
その分一つ一つが長続きしないので、市場としてはあまり気にしなくて良い、とも言えないことは無いのですが、明日の行動に予想がつかないので、気持ち悪さは残ります。
ある海外のファンドマネジャーに、今のトランプ政権について懸念はないか?と聞いたところ、トランプ政権はあと2年で終わるけれど自分達の投資は3年5年を考えているから関係ない、と言われました。
今の株式投資にとっての最大のリスクシナリオは、トランプ大統領の再任ということでしょうか???
寺本名保美
(2018.04.12)
事件から見える各国の立ち位置
Facebookによる個人情報問題について今何が問題となっているのか、日本に居るとよくわからない部分があります。
元々日本は、スマートフォンやSNSに個人データを蓄積されることへの嫌悪感が強い国です。
一方で米国は匿名化された個人データの二次利用については日本よりも寛容で、気持ちの悪さより便利さを優先している傾向があります。
別の視点でいうと、こうして集積された個人データの所有権について、酷く神経を尖らせているのが欧州で、ビックデータ化された個人データの財産価値について、政府が一元的にコミットしようとしている様子が窺えます。
比較的データビジネスに寛大であった米国では政治が絡んだことで世論のトーンにやや変化が起きるかもしれません。元々否定的だった日本では個人データの集積や二次利用に対する規制論が更に高まるでしょうし、欧州では域外企業への規制が強化されるでしょう。
いずれにしてもこうした問題は、今の経済構造の変化において早晩直面し解決していかなければならない課題の一つに過ぎません。各国毎に異なる立ち位置や今後の規制の方向性を探るにはよい機会でもあります。
情報関連企業にとってはやや冷や水を浴びせられる展開ではあるものの、持続的な成長にとっては必要な踊り場となることでしょう。
寺本名保美
(2018.04.11)
目標だけで十分
黒田総裁の2期目がスタートしました。
黒田総裁とパッケージで語られる2%の物価目標について、その目標が実現するかどうか、という議論より、本当にその目標の実現が必要であるのかどうかの議論を、そろそろした方がよいような気がしています。
もちろんデフレは困ります。だからといって毎年2%ずつ物価が上がる日常を想像すると、それが今の日本に受け入れられる現実であるのかどうかの疑問もあります。
消費税が8%から10%に2%引き上げられるだけで、消費行動に影響が出るといわれている経済です。消費税は一度きりです。2%の物価目標は毎年です。
デフレではないけどインフレでもない、という経済環境が如何に心地よかったかは、昨年までの米国経済を見ればわかります。
2%の物価目標が何時までも目標でしかない状態が、日本経済にとっては一番幸せなのかもしれませんが。
寺本名保美
(2018.04.10)
地域金融機関の話題
家賃保証型の商業用不動産販売会社が、会社更生法を申請しました。
子の破綻は、個人オーナーの損失問題も絡み社会問題化しそうな気配である上に、この会社への事業融資で残高を伸ばしてきた特定の金融機関についてもメディがが取り上げるようになっています。
金融機関側は不動産担保融資ですので、金融機関に甚大な貸倒損失が出るわけではないでしょうが、足元で積極的な融資を展開し地方銀行の生き残り戦略の一例としてメディアにも取り上げられていただけに、この躓きは業界内で大きな衝撃となっていそうです。
決して大きくはない不動産会社の破綻ではありますが、地域金融機関全体にとっては意外に大きな火種ともなるかもしれないと、やや警戒してみています。
寺本名保美
(2018.04.09)
自分で動くということ
米国のニューヨーク州の年金基金が、クレジットカードを発行している金融機関やカード会社に対し、カードで銃器の購入を制限する可能性についての検討を申し入れたそうです。
また米国の別の年金は、FaceBookの情報漏洩を受け、今後の情報の取り扱いや対応についてFaceBook社に問合せをしたと報じられています。
ESG投資というものが日本において今後意味のある選択となるかどうかは、こうした本来の投資家行動が日本おいても見られるようになるかどうかにかかっていると思います。
あくまでも、スクリーニング会社任せ、運用会社任せのESGなのであれば、日本のESG投資は単なる流行りもので終わるでしょう。
最終投資家が自らの意思を示すことができるようにならなければ、日本の企業統治は何も変わりません。
寺本名保美
(2018.04.06)
新サービスは冷静に
一年以上前、ビットコインが話題になり始めた頃、ビットコインがマネーロンダリングの温床にならないのか?という問いに対する解は、ビットコインのフラットホームであるブロックチェーンというものが資金移動の足跡を全て記録しているので、マネーロンダリングには使えない、というものでした。
その後、日本で仮想通貨の巨額流出事件が発生し、流出した仮想通貨の追跡を最終的に諦めたタイミングで、仮想通貨に対するマネーロンダリング防止策の規制が出ることになりました。
脈絡としては合ってます。
入出金記録が全てトレースできる為不正は起きないとされていたブロックチェーンの足元が、私にはどうも揺らいで見えるのです。
ブロックチェーンプラットホームを使った新サービスにどういうわけか前のめりになっている日本の銀行。
少し冷静に状況を見たほうが良いのではないかとおもうのですが。
寺本名保美
(2018.04.05)
やっぱり努力が足りない
この数年、毎年この時期になると、定番の様に友人母達から連絡があります。
「子供が新入社員になって、確定拠出年金の説明を受けたらしいのだけど、全く判らないって。どうしたらいい?」
今年に至っては、「いきなり2時間の説明に皆、白目向いて爆睡した、、、」と。
こういう話になると資産運用業界側は、「だから学校教育の過程で金融や資産運用の授業を義務化させないといけない」という発想に逃げるのですが、それ以前に伝える側のスキルや熱意の問題も多分にあると思っています。
金融や資産運用の話しは、馴染みがなくて判りにくいのが当たり前。つまらなくてもしかたがない。理解してもらうことより説明したという事実が重要である。等々、の声が講師や業者から聞こえてくる気がしてなりません。
運用報告会の時も思うのですが、相手の時間を拘束しているのなら、それなりの満足感を相手に与える努力をするのは当然の義務だと思うのです。増してや何等かの対価を得て話をするなら尚更です。
たった1フレーズだけでもいいから、聞き手の頭に留まるような伝え方がどうしたらできるのか。話し手側の努力がまだまだ足りないと感じています。
寺本名保美
(2018.04.04)
次のステップ
昨日の米国株式の急落の一因として、アップルが半導体を自社調達するという観測からインテル株が一時9%以上の急落をしたことがあげられます。
インテルの売上の5%程度がアップルと想定されています。たかが5%、されど5%というところでしょうか。
いずれにしても現在の電子媒体市場におけるアップルの影響力の強さが改めて確認される事象になりました。
FANGと呼ばれ、仲良しグループの様に扱われてきたハイテク関連企業も、足元では業績の明暗や方向性の違いが目立つようになってきました。マイクロソフトやアップルのような比較的歴史のある企業もあれば、誕生してまだ数年の企業もあります。業界が急拡大する中において「経営者」としての経験や知見が育っていない「大企業」も増えていると思われます。
ビジネスモデルの革新性を背景にこの数年で躍進してきたこれらの企業群にとって勢いが減速しかけた今、地に足のついた実需の経営に転換できるか否かの正念場を迎えています。
寺本名保美
(2018.04.03)
失敗の本質
よく上がり、よく下がった、平成29年度が終わりました。
この年度は、資産毎、戦略毎に、稼げるタイミング、稼げないタイミングがはっきり分かれた一年でした。
こうした環境でプラスを残すためには、単にリスクを抑えただけではダメで、環境がフォローである時の稼ぎが、環境の悪化局面での損失を如何に上回れたかが勝負となります。
損失が出る局面があった以上、しっかり利益を追求せず損失を抑制するだけではお金は減るのです。
そんな当たり前の事、と思われるかもしれませんが、そんな当たり前の罠にはまってしまった低リスク型のファンドが少なくなかったのが、この一年の資産運用における最大の特徴だったのかもしれません。
上手く立ち回れた戦略、立ち回れなかった戦略、それぞれしっかり原因を分析して、新たな年度のスタートにしたいと思います。
寺本名保美
(2018.04.02)