中国主導経済?
中国経済がステージを変えたようなきがしています。
下請け工場国から、廉価製品製造国となり、金融バブルを経験し、個人消費経済にランディングをし、後はバブル崩壊か、と思われていたところで、一気にグローバルなスマート社会の牽引役に躍り出た、というところでしょうか。
恐らく社会のスマート化という流れは、中国の社会構造との親和性が高いのだと思います。
中央集権に違和感がないこと、個人情報が政府に管理されることに慣れていること、個々の労働の質からのボトムアップではなくトップダウンの工程管理に付加価値があること。
まだまだありますが、全体として、今世界で進んでいる、産業や社会の構造変化に対する抵抗は日本に比べてかなり小さいことは想像に難くありません。
まさにこの対極に位置することに価値があった日本にとっては、足元で拡大している中国との成長格差が、このままでは致命的になる可能性があります。
中国経済が安定しているのは、経済にとっても投資環境にとっても良いことではあるのですが、この先中国に主導権取られる世界で日本が生きていくのは、なかなか厳しいものを感じます。
寺本名保美
(2018.02.27)
が、、、 で、、、
弊社のある大江戸線の赤羽橋駅は、東京タワーへの最寄駅です。
又、大江戸線は、新宿・国立競技場・六本木・赤羽橋(東京タワー)・大門(浜松町モノレール)・築地等を通る、東京観光バスのような路線です。
ということで、昨今海外観光客の皆さま、極めて多く、特にこの1週間ぐらいお隣の冬季オリンピックから足を延ばして来日してくださったらしき団体さんでも、賑わう路線となっています。
が、、、
この路線、そんなことを想定した電車では全くなく、朝・夕の通勤ラッシュに唖然とする観光客の皆さまを見かける度に、申し訳ない気分になります。隣国でオリンピックが開催されただけでこの状況。
で、、、
2年後の東京オリンピック!地上の移動が渋滞に巻き込まれる状況になれば、選手も乗ることになる大江戸線。
我々普通の通勤客など乗ってる場合か?どうする、通勤?
海外からのお客様ファーストなら、いっそ自宅待機にしますか。
寺本名保美
(2018.02.26)
全くもってわからない
仮想コインの大量流出問題以降、どうもブロックチェーンなるものの信頼性が気になって仕方がありません。
別に仮想通貨問題に格段の興味があるわけではなくて、この仮想通貨が乗っかっているブロックチェーンという台帳概念そのもののが気になっています。
これからの世界、金融取引から個人情報まで、全てがこのブロックチェーン技術の上で、記録保管されていくようになると言われています。
仕組みは全くもって理解できませんが、その上に乗っかっている「仮想通貨」なるものが、このまま万が一闇に消えてしまうようなことがあり得るとするならば、この台帳技術そのものの信頼性が問われることにはならないのでしょうか?
繰り返しますが、全くもって理解していません。
理解していないのですが、何となく嫌な感じがしています。
寺本名保美
(2018.02.23)
無駄な流動性
米国金利10年金利が3%直前まで上昇し、それを嫌がった米国株式は下落し、米国株式の下落を嫌がった日本株式は下落して、日本株の下落を嫌がった国内10年金利は低下した。
という、本日午前中の展開。
米国市場の辻褄はあうのですが、どうも日本市場には違和感があります。
日本の株式市場というのが、米国株式市場で吸収しきれなかったショックやポジションを整理するためだけに存在しているようにみえるのです。
時差の問題でもあるのですが、本質的には投資家の厚みの無さの所以。
市場も中央銀行も本当に無駄に流動性を供給していると思ってしまうのは気のせいでしょうか。
寺本名保美
(2018.02.22)
儲け話はありません
仮想通貨や投資信託や借上げ保証の不動産など等々。
大きな損失を出して、社会面に乗る事象が、段々増えてきました。
個人を巻き込んだある種のバブルが、水面下で侵食をし始めている証拠でしょう。
私が資産運用の仕事をしていると言うと、殆どの方が「いい儲け話はない?」と聞いてきます。
「資産の運用」と「儲け話」
似て非なるものなのですが、この違いを説明するのは、意外と難しい。
「資産運用」は損することもある。「儲け話」は儲かる話。
というのが一般的なイメージでしょうか。
儲け話=儲かるだけの話 と思っている人が足元でまた増えてきていそうで、嫌な予感がします。
寺本名保美
(2018.02.21)
政治って
出だしの政治ショーに辟易して、気持ちが全く盛り上がらなかったオリンピックでしたが、頑張っている選手には責任はないので、今は気持ちを込めて応援しています。
従来以上に酷い政治ショーに呆れて、全く興味を持てない衆議院本会議でしたが、頑張っている議員もいなさそうなので、今は気持ちを静めて怒らないようにしています。
ブレグジットの時も米国大統領選の時も、大きく売られた後の株式市場で、いつも最後尾からの戻りになった日本の株式市場。
何が足を引っ張っているのかと考えてしまいます。
寺本名保美
(2018.02.20)
改善はまだまだ先
金融庁が個人向け投資信託の商品性改善を示唆してから2年以上が経ちました。
その間、毎月分配型のファンドの新規設定は実質的になくなり、低コストのインデックス型の投信が増え、表面的には改善したようにも見えます。
それでも、今回の「VIXベア」騒動のような問題が無くなることはありません。
投信の回転売買の根源とされていたもう一つの課題である、「テーマ型」投信が無くなる気配も全くありません。
個人向け投信業界が本当に顧客本位に改善しているのかどうか、なんとも覚束ない限りです。
寺本名保美
(2018.02.19)
二十歳の誓い
本日、弊社は創立20年を迎えます。
この数日のメダリスト達のコメントではないですが、感謝の言葉しか見つかりません。
創業時お世話になった方から、会社というものは社会的使命があれば生き残る。5年もてば10年もつ。10年もてば20年もつ。20年もてば一人前。と言われたことを思い出しています。
一人前にはまだまだ程遠く、反省することばかりではありますが、20年続けてこられたということは、弊社が社会的に幾ばくかは必要とされてきた証なのかと、少しだけ安堵しています。
今後とも創業時から変わらない、顧客本位のきめの細かいサービスを提供する、親身なプロフェッショナルチームであり続けたいと思っております。
ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
寺本名保美
(2018.02.16)
市場テーマは移り気
為替が円高に振れている理由は、プレイヤーの指向が足元では金利差から収支に移っていることが一つ。
米国やドイツでの財政収支の悪化懸念に加え、トランプ大統領が貿易で日本に圧力をかけるような発言をしていることや中間選挙上は「円高歓迎」発言が増えてくると想定されること。
二つ目は、日本国内、特に政治の世界において、デフレ脱却宣言をしたがっている人がいるように見えること。
株式市場が下落し、アベノミクスの賞味期限が取り沙汰される前に、政治的な成果を強調するためにデフレ脱却宣言をしたくなる人がいてもおかしくはない。
最後にこの2週間のリスクオフの相場で、通貨市場は思いの外変動が小さかったため、他の市場が落ち着いてきたところで周回遅れのポジション調整が起きていること。
とはいえ、米国金利の上昇は相変わらず淡々と継続しているなか、リスク回避のセンチメントが一段落すれば、早晩市場テーマが金利差に戻っては来るのですが。
寺本名保美
(2018.02.15)
残念な人事
東芝が代表権を持つ会長職に、メインバンク出身者を登用するとの報道がされています。
債務超過問題が尾を引く中で、大口債権者である銀行の役員だった人をTOPに招くという行為が、何を意味するのかと考えてしまいます。
ただでさえ今回の東芝問題においては、上場維持や債務超過の解消といった財務問題が何よりも優先され、技術やプロダクトラインや人的資本等のその他の課題が全て後回しにされていたような印象を受けています。
そのうえ、目先の財務問題が一段落したところで、こんどこそ「技術の東芝」らしい次の展開が期待されるタイミングでのこの人事は、ひどく失望します。
経営者が変わってわずか一年で1部復活をしたシャープから、日本の経営者や銀行家は何を学んだのでしょう。
寺本名保美
(2018.02.14)
為替市場の綱引き
米国では2年間の財政拡大予算が議会を通過しました。米国の財政規律は緩み、財政赤字は悪化する可能性があります。
ドイツではメルケル首相の大連立が成功する可能性が高まりつつあります。大連立が実現すると、ドイツはECB加盟国に対し従来よりも優しい政策に転換する可能性があるため、ドイツの財政は悪化する可能性があります。
米欧の政治が財政拡張方向に舵を切る一方で、日本は未だに日本銀行の金融政策への依存度が高い状況が継続しています。先週末、黒田日銀総裁続投との観測記事がでたのも、現状の日銀の金融政策への期待感の高さの表れだとも言えます。
為替は金利差と収支格差で決まります。黒田日銀続投で金利格差はドル高方向、米欧の財政拡大政策で収支格差は円高方向。
引っ張りあって、為替市場が動かないなら、それはそれでよいのですが。
寺本名保美
(2018.02.13)
緩やかな金利上昇という幻
ここでも何度も書いていますが…
「緩やかな金利上昇」などという単語は、債券市場には存在しません。
短期の政策金利を緩やかに上昇させることは中央銀行のコントロールにより可能ですが、市場金利である「債券利回り」が「緩やか」に上昇することはありません。
一旦動き始めた長期金利は、心地よい居所まで短期間でジャンプし、また次のジャンプの機会をうかがいます。
例えば日本の10年債利回りでいうなら、1993年に3.04%から3.90%に行くのに4カ月、1998年に0.76%から2.10%に行くのに3カ月、2003年に0.53%から1.47%に行くのに3カ月というように、長期金利の水準訂正は大方3~4ヶ月の短期集中型で完了するものです。
株式市場が今回、米国と欧州での債券利回りの上昇に反応しているのは、債券市場の持つ潜在的なボラティリティの高さへの懸念が高まっているからです。
とはいえ、債券市場は水準訂正さえ終わってしまえば、元通りの大人しい市場に戻ります。逆にいうなら債券発の波乱は長くは続きません。
むしろ足元の一番の懸念は、長い低金利環境において、こうした債券市場の特性を理解している人が、債券市場の中にも少なくなってしまっていることかもしれませんが。
寺本名保美
(2018.02.09)
とりあえず
ドイツのメルケル首相は大連立を組める可能性が高くなり、米国のトランプ大統領は2年間の追加予算枠を確保して今年二度目の政府機関の閉鎖は回避することができました。
市場にブレーキがかかっている中、今年のブレーキ要素だった政治が無難に航行していることはよいことです。
今回の急落局面で、1月に急騰した所謂FANG銘柄の反応は意外な程冷静で、業績が伸び悩むアップルやグーグルはそれなりに下がり、業績のよいアマゾンやネットフリックスは殆ど下がりませんでした。
そういった意味では投資家の反応は極めて理性的だったということで、政治がこのまま足を引っ張らなければ、とりあえずは、一段落というところでしょうか。
寺本名保美
(2018.02.08)
株価は戻っても
今回弾けたのは、金利や株価、ではなくて、ボラティリティだったのかもしれません。
一昨年のトランプ大統領の就任時の乱高下を境に、株式市場はひたすら上がり続け、長期金利は高止まり、ユーロ以外の為替は動かず、市場ボラティリティは、歴史的な低水準となっていました。
ボラティリティというものは、上下動すると上がるもので、一本調子な上昇や、一本調子な下落では、ボラティリティは上がりません。
当然動かなければ上がりませんから、この2年についていえば、各市場それぞれの理由によりボラティリティは下がり続けていたということです。
今回の乱高下で株価は一旦戻っていますが、弾けてしまったボラティリティはすぐには下がりません。
市場環境は確実に変化しています。
寺本名保美
(2018.02.07)
値幅と変化率
日本で投資教育を本当に根付かせるつもりがあるのなら、価格、ではなく、変動率、という概念をまず定着させることです。
米国の昨日の下落幅は、下落率でいうなら4%台、市場最大のブラックマンデーの22%の5分の1程度の下落です。
率、という概念は、複利という概念の基本となる概念です。複利という概念は長期投資の基本となる概念です。
メディアもそろそろ、有価証券投資を、株式や投信の単価ではなく、変化率で理解していくことを身につけませんか?
寺本名保美
(2018.02.06)
こういう時の分散投資
今年の金融市場はとても判りやすい展開が続いています。
米国の長期金利の上限の切り上がりが明確化になったところで、株式市場は素直に下落。
長期金利差の拡大を見越した為替市場も、素直に円安。
株も原油も、この水準まで上昇してくると、少しの刺激で10%程度の調整があるのは普通のことで、今回のように悪材料に素直に反応していた方が、長期的には上昇相場は長持ちします。
年金や機関投資家の多くは、資産全体における株式比率は多くても30~40%程度なので、株式市場が10%下落したところで、資産全体に与える影響は3~4%。リバランスも済んでいるので、この下げ過程で株売りが加速することはなさそうです。
問題は、株式の一点買いになっている個人投資家のパニック売りが、どの程度株価を押し下げるか、でしょうか。
分散投資は大事です。
寺本名保美
(2018.02.05)
買ってみた
昨日雪のため電車の遅延情報が出たので早めに帰宅。電車が遅れなかったので中途半端に時間が余り、しかたがないので駅前の携帯ショップに入り、月々の支払い金額が変わらないというお決まりのセールストークを聞き、気がついたらi phon10を買っていた。
暇だと人間余計な買い物をするという典型。
昨日注目のアップル決算が発表された。アナリスト予想を唯一上回ったのが、一件あたり単価。つまり高額商品が売れたということで、iPhone10などの新製品については思ったよりも売れているということ。
皆んなも買っているからと、自分の衝動買いを正当化する典型。
FANG銘柄の業績が出揃って、業績も株価もややスピード調整。
外は寒いし一休み。
寺本名保美
(2018.02.02)
米国金利と投資家動向の変化
昨晩のFOMCを受けて、米国の1年債利回りは1.78%から1.89%へと0.1%以上上昇しました。
政策金利が据え置かれたにもかかわらず、短期金利が水準を変えたということは、今回のFOMCの内容が市場の描いていた利上げの工程表から、外れていたことを意味しています。
今噂され始めた年に4回の利上げということになれば、今後1年で米国の政策金利は1%上昇することになり、10年金利の3%乗せが現実化していきます。
米国の長期金利の3%乗せは当面ないと高を括っていた市場参加者にとっては、今回のイエレン議長にしてはやや強気な経済・物価に関するコメントを受け、若干の戦略変更を余儀なくさせることになるでしょう。
金利の環境変化が、グローバルな投資戦略に与える影響をよく見極めていきたいと思っています。
寺本名保美
(2018.02.01)