体力の毀損
昨晩は久しぶりに夜中まで市場の動きを確認し、明け方目が覚めスマホで指数を確認し、という行動をとっていました。
後付けの解説すら出てこない下落というのは、とても珍しい。
取り立てた外部材料もない中、株式市場も債券市場も為替市場も商品市場も、隣の市場の根動きに同調しつつ、ふわふわと動いていた感じです。
そんな最中に「準戦闘状態」に入っていたらしい朝鮮半島は収束宣言をしています。誰も注目してくれないなら暴れてもしかたがない、というところでしょうか。
値幅は大きいものの、関係者全体にそれほどの緊張感が感じられない妙な下落。
今回の下げそのもののダメージはそれほど大きくないかもしれませんが、振り回わされた市場やファンドの体力は明らかに毀損していることは念頭に置いておいた方がよいかもしれません。
寺本名保美
(2015.08.25)
デフレお化け
日本の株式市場は名目GDPとの比較で割高だとバフェットさんは言っているそうです。
弊社のモデルの考え方も同様です。
バフェットさんも弊社モデルも、基軸に置いているのが「名目GDP」なので、株価の位置を考えるには、「インフレ率」というファクターがとても重要になります。
企業が稼ぐ力は確実に高まっているし、「失われた」とされる過去20年にしてもそれほど悲惨なものではありません。問題は企業が稼いで投資する傍から、デフレお化けがとり憑き、企業価値をどんどん減価させるところにあったわけで、黒田バズーカの照準は言うまでもなくこのデフレお化けです。
バフェットさんや弊社のモデルから、割高シグナルを消すには、このデフレお化けを退治できるかどうかにかかっています。
過剰な期待とは思いつつ、金融緩和とは別の意味で、黒田日銀の手腕への期待は高まるばかりです。
寺本名保美
(2015.08.19)
野党はいずこ?
足元の市場におけるリスクシナリオとして、安倍内閣の支持率の低下を懸念する声があります。
8月上旬の時事通信社の調査では、支持率が不支持を下回りました。
一方で、今の支持率の低下はほとんど気にする必要がない、という意見もあります。
同じく8月上旬の時事通信社の調査では、政党支持率には全く変化がなかったからです。
ところで米国。
来年の大統領選に向かっての候補者選びも佳境に入りつつあります。オバマ大統領の不人気ぶりから、今回は政権交代があるかと思いきや、共和党の候補者がブッシュ氏だのトランプ氏だのと候補者不足が露呈された印象が強まり、雲行きが怪しくなっています。
いずこの国も、野党にもう少し頑張ってもらわないことには、景気の波に乗った今のトレンドを変えることは難しいでしょう。
目先の市場にとってはそれでもよいのかもしれませんが…
寺本名保美
(2015.08.17)