2015年04月の思いつき


休みの谷間

昨晩の海外市場の様に、明確な理由がない急落は、その後の市場心理に漠然とした不安を残します。

結局のところ欧州の急落のきっかけになったのは、ドイツ国債入札の不振であったようにも見え、そこにギリシャの足元の資金繰りの話や米国の成長率の低下の話などが加わり、高値波乱を招いたのかもしれません。

一つ言えることは、ここ数か月間続いてきた、「他にどれほど悪い材料があったとしても、FOMCが米国景気に慎重な見通しを示せば利上げは遠のき株価は踊る」という単純な構造に変化が起きつつあるということで、市場のテーマが大きく変化する節目が近づいてきているのかもしれません。

ゴールデンウィークに潜む魔物の影がやはり気になる谷間です。

寺本名保美

(2015.04.30)



ギリシャの方々

明日から世の中はゴールデンウィークとなります。

毎年ゴールデンウィークが明けると、不思議と市場の雰囲気に変化が起きます、

ギリシャで国民投票の可能性が出ています。

3年前のゴールデンウィーク、ギリシャのユーロ離脱問題が浮上し、2012年5月の金融市場はボロボロに成りました。

そういえは、今年の1月の急落も、年末31日に決まったギリシャの総選挙が切っ掛けでした。

逆説的に言うならば、他に目立った懸念材料がないので、必要以上にギリシャが気にかかるのかもしれませんが、どうもあの国の首脳のお顔を見ていると、何か事を起こしてくれそうな気がしてならないのです。

買うも売るも、ゴールデンウィーク明けてからの判断が無難かもしれません。

寺本名保美

(2015.04.28)



統一地方選

私の地域の統一地方選が終わりました。
区長とか、区議とか、誰を選ぶかの前に、その役職にどの程度の権限があるのか、そもそも知らない、というのもいかがなものかと、我ながら反省してます。

でも言い訳させていただくなら、民主党現役が死守と全国ニュースで話題になるほどの、世田谷区長選についても、特に政策議論が耳に入ってくるわけでもなく、正直に言って判断のしようがない、というのが実感です。

市町村選では、パンフレットの配布が禁止されているということも一因なのかもしれませんが、もう少し意味のありそうな選挙になる工夫が必要な気もしています。

寺本名保美

(2015.04.27)



GARYU あぁ 臥龍…

長野北陸新幹線に乗っています。

新幹線を背景に写真を撮りまくる海外観光客の方達の、弾ける笑顔に癒されます。

隣に座ったアジア系のカップルは、長野県の地図を真剣にお勉強中。
ちらっと見たパンフレットには、GARYU SAKURA とあり、意味が判らず隣でこっそりスマホ検索をしてしまいました。臥龍桜のことですね。

これでは、万が一何か聞かれても、何も答られないなぁと、寝たふりをしようかと思ったり…

ガイドブックを片手に、きっと我々が普段気がつかないような観光名所を闊歩する彼ら。

受け入れる側の体制強化はすすんでいるのかと心配しつつ、楽しい旅となることを祈ります。

寺本名保美

(2015.04.24)



人口が多いということ

中国が外資系クレジットカード会社の参入を認めるかもしれない、というニュースで、主要な決算カード会社の株価が急騰しました。

一人っ子政策によって、将来に向けての人口ピラミッドには不安があるものの、やはり足元の人口が世界経済に与える影響力は健全です。

将来のことを忘れてよいのなら、日本の人口はまだ1億2千万人もおり、これは英国の2倍で、世界10位に入賞しているのは米国と日本だけです。

将来の人口減対策は心配しなければならないことではありますが、少なくても現時点においては、不景気の原因になるような人口ではなさそうで、日本のデフレは人口減少によるものだ、という理屈は、やや言い訳がましくも聞こえます。

日本の半分しか人口のいない英国のGDPと日本のGDPの差が1.5倍しかないという事実にも、少し悲しいものを感じます。

将来への種まきは重要ですが、今の収穫は今の収穫として、今いる人口をどう活用していくか、前向きに考えていけばよいのではないかとも思います。

寺本名保美

(2015.04.23)



ドローンをどろ~~んと考える…

ドローン。

丸いミニヘリみたいな空飛ぶ物体。

物を運んだり、カメラを搭載したりできるもの。

日本でも15万円ぐらいで販売されるらしい。

不動産には地上権があるように、人間には空撮権があるのではないかと思う。

頭の上を勝手に高性能カメラが飛び交う情景は、どこかおかしい。

GoogleMapのように宇宙から衛星で撮影するのはOKで、見える空からはダメというのも、それはそれでおかしい。

空撮に関わるプライバシーの議論があまり耳に入ってこないのはなぜだろう???

寺本名保美

追伸
と書いたらば、首相官邸の上に落ちたらしい(苦笑)

(2015.04.22)



ギリシャより中国

昨晩から今日にかけての金融市場を一言でいうなら、ギリシャのデフォルトより、中国の緩和、というところでしょうか。

なんだかんだと言っても、中国が元気であることに越したことはなく、他人事であるだけなおさら、将来のバブルより足元の景気を優先する政策が見えていることを好感しています。

それはそうと、昨年からこの季節になると、咳が止まらなくなります。
お医者のカルテを確認しても、去年も4月中旬から、同じ症状がでているので、もはや偶然ではない!

黄砂だか、微粒子だか、、、

中国景気がよくなるのも、程々がよいなぁと思う今日この頃…

寺本名保美

(2015.04.21)



強気の話術の先

黒田総裁が米国で行った記者会見の内容がロイターで流れています。

「日銀が2016年序盤までに2%の物価目標を達成し、その結果として日本の金利が上昇し始めれば、金融市場は驚くだろう。」
だそうです。

今のところ、日本の物価が本当にあと一年で2%ラインに到達したら、金利が上がらなくても市場は驚くと思いますし、何よりも「2015年度もしくは2016年度序盤」に物価目標を達成できる、と時期を明確に区切ったコミットメントを日銀総裁が行うことのほうに驚愕します。

市場としては、1年半後の金利引き上げを織り込みに行きたいものの、それまでの間において、「追加の金融緩和をためらわない」と言われれば、どちらの方向に反応してよいのかわからなくなります。

金利というものが、徐々に修正されるものではなく、一時的に大きなボラティリティを伴って動くものであることは、日銀も市場参加者も承知しているはずです。

足元の超緩和と将来の金利水準の訂正とのバランスを、どのタイミングで切り替えていくのか。
黒田さんの話術が本当に問われるのは、これからです。

寺本名保美

(2015.04.20)



すみません。

バタバタしてたので、後で更新します。

(2015.04.17)



360度

過去の景気循環をみていても、株式市場と不動産市場、企業景気と個人消費、それぞれのタイミングはかなりの長さでズレが生じます。

大体の場合において、先行した株式市場が息切れしてきた頃に、実体経済が上向きはじめ、それを受けて株式市場がもう一度上値を追いにいってバブルを作る、という展開を辿ります。

今の国内の株式市場をみていても、このパターンから外れてはいないようにみえ、今年度については不動産価格や、個人消費等が、どれだけ株式市場の背中を押すかが、高値を追うか追わないかの分かれ目になりそうです。

着いていくにしても、降りるにしても、
360度の視野を持っての判断が必要になる一年です。

寺本名保美

(2015.04.16)



高度技術と裁判所

原発の再稼働の是非とは、全く関係なく、ただ単純に、裁判所が特定の極めて高度な専門技術の内容に関して、一定の判断を下すということに、漠然とした違和感を感じています。

例え、規制委員会が、御用委員会的であろうと、業界団体よりであろうと、そこでの議論の歪みを指摘し修正できるのは、規制委員会のメンバーと同等の専門知識を有した人々の手に委ねるしかないと思うのです。

オールマイティーが前提の裁判所というものの、ある種の難しさを、今回の司法判断は提示しているようにも思います。

寺本名保美

(2015.04.15)



オオカミ少年

ギリシャのデフォルト騒ぎが、このところオオカミ少年のようになっています。

関係者とメディアの発言が交錯し、当のギリシャ自身が否定してみたり、可能性をチラつかせてみせたりと、危機感があるのかないのかすらわからない状況です。

一つ言えることは、ギリシャにしても関係国にしても、デフォルトやユーロ離脱という単語には、もはや相手を威嚇する効果はないということを認識すべきだということでしょうか。

強い口調のやり取りで、相手から何か譲歩を引き出す戦略をとる時期はもう終わっています。

今回また数か月、数年の時間を稼げたとしても、何一つ本質的な議論がないままであれば、ギリシャは益々泥沼化し、今度こそ本当の意味で地政学的リスクになっていく危険もあります。

そろそろ大人の議論が聞こえてくることを期待しています。

寺本名保美

(2015.04.14)



活気に蹴落とされ(笑)

週末、多分数年ぶりに土曜日の昼間に銀座に行き、あまりの活気に動揺し、早々と退散してきました。

土曜日の銀座通りが歩行者天国になっていることをそもそも知らず、、デパ地下の行列にスーツケースを持った海外の団体が並んでいるを見たのは初めてで、銀座通りの様子は数年前にテレビでみた秋葉原の歩行者天国のそれに近いものを感じ、普通の喫茶店には長蛇の列ができ、少し前まで闊歩していた日本のシニア世代はどうやらいずこかへ河岸を変えてしまったように見かけなくなりました。

こうなると交番のお巡りさんは大活躍で、元々世界的に有名な銀座のKOBANの知名度は更にあがることでしょう。

これで私の様に、日本人が銀座に行くのをためらってしまうのではなく、ガンガンこの集団に溶け込んで、一緒に盛り上がっていければいいのでしょうが、そのあたりはもう少し若い世代に期待しましょうか…

寺本名保美

(2015.04.13)



レールの先

日経平均が15年ぶりの2万円を付けたことを受けた、菅官房長官の「よくここまで来たものだ」という発言は、何か感慨深げで、面白いです。

私も思いますが、この2年間ほど、政治が金融市場に真剣に関わったことは過去なかったかもしれず、またこの2年間ほど事前に敷かれたレール通りに市場が動き続けたことも私の記憶にはありません。

そういう意味においては、とても判り易く、とても収益を上げやすかった2年間だったということもできます。

この先まだしばらくは、見えているレールがありそうですが、その少し先についてはまだ全く視野に入ってきません。

今はまだ高度を上げ続けているジェットコースター。加速をつけた先にレールがないフリーホール、ということだけは想像したくありません。

寺本名保美

(2015.04.10)



生産性の見えない提携

ギリシャとロシアが急接近しているようなニュースがちらほら流れています。

前政権のギリシャは中国と距離が近かったような印象があるのですが、今の中国は、当時ほど財政的な余裕もなく、国際社会での自己主張の方法もAIIB(アジアインフラ投資銀行)に注力していることから、数年前のギリシャ危機の時ほど助けてくれそうにはありません。

だからと言って今のロシアに、ギリシャを助ける余力などないのは自明のことであるので、このギリシャ‐ロシアラインというものは、旧東欧ロシア圏も含めたEU離脱シナリオをちらつかせてみる、ということ以上でも以下でもないように思えます。

それにしても最近のプーチン政権の言動は、どうも居心地の悪いものが多く気になります。

自国内の焦りが、国際社会における暴走を生まなければよいのですが。

寺本名保美

(2015.04.09)



異次元なので

日本銀行の金融政策は、とりあえず現状維持となったようです。

今回はサプライズはなし。
あたりまえといえばあたりまえ、なのですが、市場が黒田総裁のキャラクターに過度に期待してしまう分だけ「失望感」という表現も出てしまいます。

景気は緩やかな上昇。CPIは当面ゼロ。賃金は上昇の兆しがみられる。

通常の経済環境としてみれば、文句の付けどころのない状態であるはず、なのですが、これでは満足されないところが、今の「異次元緩和」の「異次元」たる所以でしょう。

景気も市場も、このまま、過熱もせず、冷えもせず、という均衡状態が続くに越したことはないのですが。

寺本名保美

(2015.04.08)



休眠打破

東京では早々と終了してしまった桜前線を見ながら関西に向かっています。

改めて桜の「休眠打破」というメカニズムを調べてみると、桜は散った後、夏ごろ迄に翌年の花芽を作り、それから長い長い休眠に入って、寒暖差で目覚めて開花する、そうです。

このメカニズムをみて、散って2ヶ月で次の花芽を作る働き者と感じるか、実質一年の9ヶ月も休みで羨ましいと思うか、9ヶ月も抱えてきたエネルギーを僅か10日で放出してしまう「もののあわれ」に思いをはせるか、どう感じるかは、その人の心理状態を表しているようでもあり、面白そうです。

一般的に言われる、厳しい冬の寒さを越えてこその美しさ、という表現も、否定するわけではありませんが、大切なのは冬の寒さを迎える前に、しっかりとした花芽を作れているかどうかで、いくら環境が整おうと芽のないところに桜は咲きません。

個人として、企業として、業界として、花芽は育っているのかと、車窓からの桜を愛でつつ自問自答しています。

寺本名保美

(2015.04.07)



外れ過ぎ

先週末の懸念のうち、ギリシャは取り敢えずは財政再建を受け入れる姿勢をみせ、米国の雇用統計は想定を大きく下回る結果に早期利上げモードは一旦沈静化しました。

それにしても、米国も日本も、このところ民間調査機関の事前予想というものが、外れすぎるのには、何か原因があるのでしょうか?

多少の誤差は当たり前としても、プラスとマイナスの符号が違ったり、今回のように事前予想の半分だったりと、外れかたが極端です。

株式市場の様に、市場が個別要因の積み上げで動く余地のある市場はともあれ、為替のようにマクロ政策が価格変化のほぼ全てを決定してしまう市場にとって、経済指標の不透明感はそのまま市場の不安定感に直結します。

今の世の中、為替ディーラーにだけはなりたくない…というのが、金曜日の雇用統計を見ていた私と同僚の感想でした。

寺本名保美

(2015.04.06)



ギリシャと新興国

ギリシャが一週間後の9日に資金が枯渇する可能性があるとロイターが報じ、このロイターの報道に対し、ギリシャ財務省はこの報道を否定するコメントを出しています。

この手の話題は、否定されればされるほど、市場の不信が高まるもので、ここから1週間の間、ギリシャ関連の話題に市場が反応しやすくなりそうです。

最近の傾向として、ギリシャ問題が悪化すると、欧州各国の株式市場ではなく、他の新興国株市場に影響が出ます。

今晩は米国雇用統計。
予想外に強い数字がでてしまうと、ギリシャ不安が重なり、週明けの新興国はひと波乱あるかもしれません。

寺本名保美

(2015.04.03)



せっかくの調整のチャンスが…

海外市場の戻りが悪く、為替も安定せず、短観はパッとせず、だからといって何が酷く悪い材料があるわけでもない。

こういう環境の時、市場にある過熱感を
冷まして、バリエーション調整にしっかり時間をかけるよいチャンス。

だったにも関わらす、今朝の日本郵政の資産配分の記事のおかげで、台無しです。

それはそうとして、簡保郵貯の運用での外債投資というものは、周期的に賛成と反対が交錯します。

日本が自然災害に弱い国であるとの前提において、一般国民にとっての最後の砦である郵貯簡保の資金は、海外投資比率をあげることで国内の大規模災害リスクに備えるべきだという考え方が、かなり以前は主流でした。

一方で、そうした資産運用は、平時の経済環境においては分散が効かず、この間までの急激な円高局面などが起きると世間からのバッシングに耐えきれません。

運用というものにはそれぞれ目的があり、運用すべき資産にはそれぞれ担うべき役割があります。

郵貯簡保の担うべき役割を考えた時、書かれているような企業価値の向上が、本当にこの資金の担うべき役割なのか、考えてみたほうが良いようにも思います。

去年は公的年金、今年は日本郵政。
大きな波に振り回される環境がまだまだつづくのでしょうか。

寺本名保美

(2015.04.02)



夢か真か

このコラムの題材を探しにネットニュース一覧を見ていて、今日はエイプリルフールだったということに思い当たり、手が止まりました。

今の新製品関連のニュースは、どこからが現実でどこからがエイプリルフールかが判らず、今日は怖くて題材には向きそうもありません。

完全自動運転の自動車の実走など、2年前まではエイプリルフールの題材でもおかしくなかったはずが、今では自動車業界の将来を左右する大プロジェクトになっています。

自動車メーカーの創業者が「鉄腕アトムを作れ」と言ったことは、有名な逸話ですが、数年内には本当に自分で考えて家事や介護を手伝う人型ロボットが実用化してしまうかもしれません。

軍事目的の利用も含め、良い事ばかりの開発ではなさそうですが、ITと機械技術の融合は、これからの世界をまだまだ大きく変えていくことになりそうです。

とりあえず株価は調整から始まった新年度ですが、面白そうな材料も沢山控えています。

波風との戯れも楽しむ位の気持ちを持って一年をスタートさせたいと思います。

寺本名保美

(2015.04.01)


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