鉄腕アトムの国だからこそ
「骨太の方針」と共に発表された「日本再興戦略 改訂2014」を見て将来的に一番インパクトが大きくなりそうなキーワードは、「女性」でも「企業」でもなく「ロボット」になるような気がしています。
今更ながら、1950年にアイザック・アスモフが書いた『われはロボット』にある「ロボット3原則」を読み返してみる人も多いのではないでしょうか。
日本には『鉄腕アトム』から始まった、人間と共生するロボット漫画の歴史があります。
我々にとってのロボットが「愛らしくて役に立つ」存在というイメージが定着しているのは、そのためかもしれません。
組み立てロボットや、器用に頭を振るパワーシャベルでさえも、そこに「人間みたい…」という親近感で表現してしまいます。
さて、これからのロボット。
コンピュータの究極の発展が、ロボットというものに限りない可能性を与えてしまう時代がすぐそこにきてしまいました。それは決して「愛らしくて役に立つ」だけの存在ではありません。
その可能性を、どう生かし、どう封じ込めるのかは、人間の知恵一つです。
ロボット技術については一日の長のある日本が、この業界を牽引する立場になることで、ロボット産業が秩序ある拡大をすることを願うばかりです。
寺本名保美
(2014.06.30)
資産運用への誤解
GPIFの運用に「損切りルールを策定しておくことも重要だ」という発言がBloombergに載っています。
運用の損失についてはその時点の受益者の減額等で責任を完結すべきだとも、おっしゃっています。
ごく最もに見えるこういった発言が、現実のポートフォリオ運用における現実にどれほど矛盾しているかを説明するのは、とても難しいことです。
でも、GPIFの運用を積極化するということは、こうした外部からのある種の「誤解」に対し、説明責任を果たせることが絶対条件となります。
道のりは険しそうな気がしています。
寺本名保美
(2014.06.27)
アルゼンチン
今日気になる話題。
アルゼンチン…
会議に入るので、またあとで…
気になったのはこの記事です。
[国連 25日 ロイター] - アルゼンチンの2001─02年のデフォルト(債務不履行)時に債務再編に応じなかった「ホールドアウト」債権者らに有利な判決が下ったことについて、アルゼンチンのキシロフ経済財務相は25日、国連での演説で、アルゼンチンは新たなデフォルトに追い込まれる、と訴えた。
アルゼンチンがデフォルトするかどうか、ということよりも、IMF世銀主導で行われたソブリンの債務減免スキームが、米国の司直の判断で崩壊する、という事態の持つ意味の大きさを考えるとぞっとします。
この火種が欧州に飛び火することなどはないと思ってはいますが…
寺本名保美
(2014.06.26)
10年一日のごとく?
今回ふとしたきっかけで10年以上前のセミナー資料や、顧客宛のプレゼン資料のファイルを恐る恐る開いてみたのですが、意外に良くできていてビックリです(笑)
10年前の方がセンスが良かったりして、とか思うこともあり、自分の進歩のなさにやや傷心ぎみでもあります。
HP上にも格納してありますが、『年金資産運用の新潮流』という資料などは、このままアップデートして使いまわそうか、と真面目に考えてしまいました。
別に過去の郷愁に浸っているわけではないのでご心配なく…
寺本名保美
(2014.06.25)
不思議の国のNISA
金融庁から発表された「NISA口座の利用状況」によれば、口座数で59.8%、金額ベースでは64.9%が60歳代以上の年齢層の方とのことです。
20-30代が足し合わせても10%そこそこという結果も含め、ごく当たり前の結果といえるでしょう。
一昔前の教科書的な物言いをするならば、
20代の内はお金をコツコツ貯めて住宅ローンの頭金を作り、
30代半ばで住宅ローンを組み、
40代は耐え、
50代半ば以降教育資金が落ちてきたころから老後の貯蓄を考え始め、
60代後半から取り崩しの時代に入りましょう…
ということになるので、20代の人にとってもNISAはそれなりに使い道があるはずなのですが、結婚年齢が遅くなっていることもあり、こうしたアリさん発想を20代で持つのは難しいのかもしれません。
それにしても制度導入たった3か月で、70代80代合わせての買付金額3200億円。60代で3300億円。
それでも老後に不安があると言われるこの国。
やはり不思議の国だと思うのですが。
寺本名保美
(2014.06.24)
行ったり来たり
中国のPMIの発表を好感して、株式市場は今日も堅調に推移しています。
ただ、この中国のPMIは本当にクセモノで、過去3年幾度となく市場は翻弄されています。
どうも年前半は弱含み、夏場以降に強い数字を出し、年が明けると振り出しに、というパターンを繰り返しているようにも見えます。
市場に材料が不足している中、反応しやすい数値ではありますが、このあたりには余り一喜一憂しない方が賢明な気がしています。
寺本名保美
(2014.06.23)
来週にむけて
ドロー…
私の残り少なくなったアドレナリン、全放出したのに。
でも、週末。
体調整え、アドレナリン貯めて、次の試合に臨みましょう!
来週が勝負です。
あぁもちろんサッカーのことですが…
寺本名保美
(2014.06.20)
少し気持ちが悪い
米国経済に対しても、株価に対しても、基本的に強気であることは変わりないのですが、そうはいっても、材料に対する市場の反応が少し楽観的になりすぎているような気がしています。
今月になってTOPIXが5%も上昇している日本株にしても、外部材料に大きな変化があったわけではありません。
足元の緩和環境を担保しつつ将来の金利引上げを市場に徐々に織り込ませにいっているFRB。
GPIFと彫り込まれた印籠をチラつかせながら、売手の手仕舞いと外国人買いを誘う日本の政策。
いわゆる市場との対話が日米とも想定以上に上手くいっているということも一因でしょう。
基本的には欧州のマイナス金利決定で息を吹き返してしまった流動性相場のなか、逆らうことは禁物ですが、しばらくはやや半身で市場を眺めたほうがよいかもしれません。
寺本名保美
(2014.06.19)
プラスマイナス
紛争は、絶対悪であることは、当然としての話としてですが、
原油価格が上昇していることは、今のグローバル経済の安定に対して、一概に悪いことだけではないと思っています。
飛行機の搭乗時間がきてしまったので、詳細はまた後日…
寺本名保美
(2014.06.18)
スタンス確認?
皆さん思っていても口に出さなかった一言が、とうとう今朝ある運用機関さんからでました(苦笑)
「この思いつきが、辛口過ぎるから…」
反省した方が良いですか?
甘口な思いつきなんて、黄色だけで辛くないカレーライスみたい?
すみません、このままいきます!
寺本名保美
(2014.06.17)
女性の登用
骨太の方針の核と言われている女性の登用。
役員比率に数値目標を置くような政策は、前にも書いたように反対ですが、実際に役員や管理が男女半々になっている世界を想像するのは、面白いかもしれません。
極一般論として、
女性は、過去の評価より今の評価を重視します。
過去のしがらみより、今の人間関係を大切にします。
ヒステリーを、起こすので感情的とみられますが、ケチですから感情よりも実利を求めると言う意味で合理的な行動をとります。
仕事が終わっても家に帰りたくない心境にはなりませんので、労働時間は必然的に短くなります。
こういう人ばかりでは困りますが、今の日本の企業文化を変えるには、そこそこの起爆剤にはなりそうです。
だれですか?そこで嫌だ嫌だと首をふっているひとは?
寺本名保美
(2014.06.16)
お天道様に感謝
今朝東京は久しぶりの青空でした。
新幹線に射し込んだ太陽の光に感激したり、青空をありがたく思ったりしている自分に、大丈夫か?と声をかけたくなる一方で、これまで長年心身に溜まっていた淀みが浄化されていっているのかもしれないと思ってもいます。
来週からは、市場を見る本来業務に少しずつ頭を切り替えて行く予定です。
あれ、また雨だ…
寺本名保美
(2014.06.13)
人間力向上プロジェクト
自分の社会人としてのキャリアパスを考える過程において、もっと若い頃は、自分は何に向いているのか、自分は何が得意なのかと、絞り混もうとする時期がありました。
この数年は、その幅を如何に広げら
れるか、どこまで諦めずに広げることが出来るかを考えていました。
そして今、目一杯自分を広げた時に、無数に空いてしまうであろう穴の数、大きさ、場所を、客観的にカウントしなければならないと思っています。
自分自身の評価は、ファンドマネージャーさんを評価するより、余程難しい…
人間力向上プロジェクト、前途多難です。
寺本名保美
(2014.06.12)
日報をご活用下さい
今欲しいもの。ドラえもんのドコデモドア。
今要らないもの。空気中の湿気。
勝負どころでは、見た目も大事…判っているのですが、この湿度で勝手にやつれる髪の毛はいかんともし難く。剃るか…
下らない話はさておき、外出が多い中で市場の動きを確認するのに、弊社の若手が毎朝書いて、お客様にメールさせていただいている「日報」が、意外に!?とっても役に立つことを発見(笑)
お客様もどうぞご活用下さいませ。
寺本名保美
(2014.06.11)
忙中閑話
新千歳からの最終便、流石にガラガラで、研修中の CAさんの姿もちらほら。
お顔を少し紅潮させながら、基本通りの確認作業をこなしていく姿を微笑ましく眺めつつ、私はいつの間にこんなに図太くなったのかと、機上で窓に映る自分の顔をみて嘆いてみたり。
市場は相変わらずの小動きで、親が忙しい時は駄々をこねない子供のよう。
今日は大阪。
うとうとしていたら、富士山みられず残念。
寺本名保美
(2014.06.10)
業務のご連絡(お客様各位)
現状、弊社のお客様のポートフォリオの資産配分、組入れ商品等、全て確認いたしましたが、足元の市場環境と照らし合わせ、問題やリバランスに緊急性があると思われる口座はないと考えます。
欧州が決定したマイナス金利という選択は、欧州の足元の景況感というよりは、「日本型の長期デフレ」に対する中長期の警戒からの選択とみられます。
また、QEの可能性を示唆しただけで実行に移さなかったのも、QEを単なる流動性供給の手段としてではなく、リーマンショック以降改善スピードが遅いと域外から非難されている「BAD ASSET-不良資産」の処理の一環として検討されているからとも、想像されます。
つまり今回の欧州の緩和を「景気後退」に直結させて考える必要はないということです。
国内ではGPIFを巡る動きも、皆様に繰り返しお話していた通りの方向性となっています。
外国株式が弊社の理論値から上振れてきていることがやや気にはなりますが、米国・英国のファンダメンタルズの強さに変化が見られない限り、当面大きな波乱はないと考えます。
私を含め、弊社のコンサルタントが社に居ない時間が多くなっており、こうした形での発信となってしまい申し訳ありません。
運用環境等の変化についてのモニタリングは通常通り行っておりますので、何かございましたらメール等でご連絡いただければと存じます。
ご不便・ご迷惑をお掛けいたしておりますこと、重ねてお詫び申し上げます。
寺本名保美
(2014.06.09)
お客様へ
お客様におかれましては、この度大変なご迷惑をお掛けしていることについて、改めまして深くお詫び申し上げます。
一部報道内容等につき、明らかな事実誤認と思われるもの等が見受けられますが、現状私共はそれらについて反論したり訂正をする、またそれができる立場ではございません。
我々の信じる事実が明らかになることを時間を掛けて見守ることしかできません。
唯一つだけ申し上げたいことがあります。
名もない我々が、十数年の年月を掛けて、少なからずのお客様とお取引をさせていただいてきたのは、「お客様の元本の確保を第一に考える信念」、そしてそのために自ら構築してきた「イールドカーブモデル」や「リスクキャップ型の資産配分」、さらに日々愚直に積み上げてきた膨大な数のファンドに対する「定性・定量分析」等を、お客様に評価してきていただいてきたからだと信じています。
こういった弊社の投資哲学やそれを実現するためのモデルやスキルの優位性について私は今でも絶対の自信を持っていますし、今後もその優位性を揺がせないための努力に一切の妥協をするつもりはありません。
今後もお客様の信頼を得られるための、内部体制の充実にこれまで以上に邁進していく覚悟です。
繰り返し、お客様にご心痛をお掛けいたしましたこと、心からお詫び申し上げますとともに、弊社の覚悟の一片なりともお受け取りいただければ幸甚でございます。
寺本名保美
(2014.06.06)
通常業務
このコラムを書き始めて11年。昨日初めて事前お知らせなく更新を飛ばしました。すみません。
人生50年も過ぎてくると、色々なことがあるものだと、妙に納得している日々です。
青天の霹靂の「霹靂」って、稲妻や落雷のことなんだと今更調べてみたりとか。
今日の午後から通常業務に戻ります。
寺本名保美
(2014.06.05)
ぞろぞろ 相場
企業経営者も投資家も、国に言われて動くなら、自ら先に動けばよい、と思ってみている昨今の株式市場。
ROE嵩上げ、ではなくて、向上、のための自社株買い。
設定された際は、どうにも不毛な指数であったJPX400は、この1か月で完全に面目躍如となりました。
昨日・今日の新聞報道によるGPIF期待。
当事者が言葉にしたときは、既に買い終わっている、のが相場の常ですが、今回はどうなのでしょう。
「国の政策には逆らわない」のがヘッジファンドの王道、であるとしても、国の敷いた路線をなぞっているだけの戦略の賞味期限はどんどん短くなっているように思います。
最近は「ヘッジファンドには逆らわない」のが一般投資家の王道とのこと。周回遅れでババを引くことがないようにくれぐれもご注意を。
国の後を、みんなでぞろぞろくっついていくだけの相場。
つまらない事この上なしです。
寺本名保美
(2014.06.03)
5年ぶりのプラス
5月の国内株式は、5年ぶりにプラスリターンで終わりました。
4月のマイナスを5月で取り返した形です。
国内株式だけでなく、他の資産も含め、今年度に入っての損益は殆どゼロです。外国株式だけが2%程度のプラス圏にあります。
この2か月何があったか殆ど記憶に残っていないのは、私がボケているからかと心配していたのですが、収益率を見る限りにおいては世の中全体がボケていたようで安心しました…
本来金融市場は紛争や外交問題などの地政学的リスクには、あまり反応しない傾向があります。
時折、金融市場が地政学的リスクに過度に反応する際は、金融市場に特定のマグマが溜っている時です。
この5月、思ったよりも金融市場が平穏であったのは、金融市場に極端なポジションの偏在がおきていない、という証左であるのかもしれません。
さて、6月。
材料を求めて、世界の眼が再び「アベ-クロダ」ラインに注目し始める月になりそうです。
結果をしっかり残してくれることを、心から期待しています。
寺本名保美
(2014.06.02)