2013年08月の思いつき


政治家の内部管理体制?

来年度概算要求のとりまとめに際し、自民党の重鎮さんが「どんどん族議員になって」と言ったと報道されています。

単なる表現の稚拙さの問題だとは思いますが、アベノミクスに乗じた政治家のお祭り騒ぎが、少々目に余るようになりました。

消費税の導入などの発言を見ていると、安倍首相の言葉の選び方は、かなり吟味されてきているように思います。
大臣方々についても、以前の麻生内閣当初と比べれば、大分ましです。

それでも、やはり政治家一人ひとりが口を開くような局面になると、言葉と共に災いを撒き散らす傾向は、以前の自民党政権時をあまり変わりません。

今は消費税導入前の大切な時期です。
上げ足を取られないような内部管理体制構築について、どなたかレクチャーをしてあげたらいかがでしょう。
寺本名保美

(2013.08.30)



5連敗…

今月5往復目の東海道新幹線。

なんと、富士山を一度も拝めていません。

私の行いが悪いのか、天候が悪いのか…

世界遺産で注目され過ぎて恥ずかしいのか…

まぁ、噴火さえしなければ、隠れていようが、帽子をかぶっていようが、文句は言いませんが。

暑かった、を通り越し、どこかおかしかった、この夏もそろそろ終わります。

せめて9月の台風シーズンは穏やかでありますように、裾野しか見えない富士山にお願いをしておきます。

寺本名保美

(2013.08.29)



自動車産業の未来

この数十年でもっとも進化しなかった業界の一つが「自動車産業」なのではないかと思っています。

他の技術発展から比較すると、その進歩のなさは、意図的とも思えるほど遅々としています。

ここにきて、自動運転装置付き自動車が話題になっています。
電気自動車にしても、自動運転装置にしても、「自動車の機能」という点からみれば、当たり前の方向性に思います。

一方で、自動車には単純な「機能」ではない、使用者の求める「付加価値」が存在します。「
「自分自身の操作によって、人間の能力を超えたスピードで自由に移動する」という行為に対する満足感。そのスピード感に対するスリル。
こうしたある種の「嗜好性」の存在が、自動車の機能としての発展を、ある意味妨げてきたのでしょう。

今後各国では大規模なインフラ修繕が予定されています。
自動車産業の方向性が変われば、インフラも変わります。
逆の言い方をするならば、インフラが変われば、自動車産業も変わらざるを得なくなります。

機能性と嗜好性。利便性と安全性。
近代社会最大の巨大産業が、ゆっくりを舵を切り始めたのかもしれません。
寺本名保美

(2013.08.28)



エネルギー革命と地政学

もし、巷で囁かれているように、米国のシェール革命が成功し、米国がエネルギーの純輸出国になったとしたら、中東地域が持つ地政学的意味合いは大きく変化するでしょう。

産油国の重要性の相対的低下は、グローバルに見れば長期的な安定に寄与するかもしれませんが、この地域の局所的なリスクについては大きく高まることになります。

反・親の双方において、米国という軸が弱くなっていくなかで、この地域の人々は近代国家になって以来始めて、自らの意思で国家運営をしていかなければならなくなります。

原油のニーズが激減するわけではありませんが、それでも価格統制力が失われることは否定できません。
グローバル経済における地位の低下は、この地域の施政者の地位の低下につながります。

このところの頻発している中東地域での危機。
これまではお金と米国の力で抑え込んできた火種が燻り初めているのを見るにつけ、何か大きな変化が起きつつあるように思えてならないのです。
寺本名保美

(2013.08.27)



クダラナイ…

本日から消費税引上げを判断するための有識者へのヒヤリングが始まるそうです。60人もの話しを2-3日で聞くことに、何の意味もないだろう、というのは誰が考えてもわかることです。

厚生年金基金の存続を決める「有識者会議」が、当時の政府の意向とは異なった結論を出した結果、別の専門家会議が立ち上がり、結局当初の有識者会議の答申が完全に無視された、という経験を一度体験してしまったからか、この「有識者」とか「専門家」とかの会議という単語を聞く度に「クダラナイ…」と思ってしまいます。

内閣や官邸には、すでに政策決定に必要な人材が常勤・非常勤含め多数配置されているのですから、その人達の「真剣な議論の過程」を国民にオープンにすれば十分です。

意味のない会議で国民の意見を聞いた振りをすることで、本来の議論の開示から逃げているのであれば、それは国民に対しても、会議参加者に対してもとても失礼です。
寺本名保美

(2013.08.26)



あと2週間

市場の注目は9月17日のFOMC、ではなくて、9月7日のオリンピック開催決定日、です。

話を聞いていると面白く、「日本に来ることは織り込み済み」という日本株のファンドマネージャーあり、「この赤字国に来たら国債が暴落する」というストラテジストあり。

スペインでの開催を、他の欧州勢がどう判断するかが一つのポイントで、オリンピックが景気テコ入れになると思うか、これ以上借金増やすな、と思うか、微妙な感じかもしれません。

2020年というのは、日本が国際公約で財政健全化を約束したリミットの年。これ以上借金ができないという意味においては日本もスペインも似たようなものです。

今の安倍さんの運の強さをみるにつれ、なんとなくオリンピックも引き当ててくるような気もいています。

とにかくあと2週間、政治家の皆様はお口にチャックをして、災いを引いてこないようにお願いします。
寺本名保美

(2013.08.23)



他国頼みからの脱却

米国の10年国債金利が2.9%台に乗せ、次回のFOMCでの政策変更がほぼ織り込まれる水準になりました。

一方で、QE3の出口を材料にした新興国市場の混乱はまだ続いており、特に通貨の下落が止まりません。

このところの新興国市場の下落の原因の一つが、米国の量的緩和問題であることは否定しませんが、むしろ問題の根幹はこの数年の恵まれた金融環境下において、各国が市場の期待に応えるだけの「骨太」な国家運営を構築できてこなかったことにあるような気がしています。

ブラジルの実質成長率は政府の当初予想の4.5%から2.5%程度まで引き下げられると見込まれています。
中国や欧州の景気後退の影響を受けているとはいっても、米国の潜在成長力を下回り、下手をすると日本に並んでしまうような政府目標しかたてられない現状は深刻です。

金融環境が良い内に、如何に財政を立て直し、産業構造を再構築できるかが勝負であることは、日本にとっても他人事でなありません。

自国の経済の混乱を、他国の金融政策の責任に転嫁するような国々に将来はありません。
寺本名保美

(2013.08.22)



民業圧迫というけれど

最近増えているらしい、官製ファンドの話ですが、どうせ作るなら真剣に利益を追求して欲しいと思います。

箱だけ作って、あとは民業圧迫と言われない程度にそこそこ回れば良い、などという発想は、一切止めるべきです。

民業圧迫と税金の無駄遣い、どちらか悪いかと問われれば、私は税金の無駄遣いの方に質の悪さを感じます。

その代わり官製ファンドであっても、民間と同様の規制と監督を適用し、投資判断者などのスタッフは金融機関からの無償出向などではなく、正当な報酬で専門家を雇う。

調達コストや信用力といった目に見えない部分でのアドバンテージは残るとしても、それ以外のコストは民間並みにかけるのであれば、結果として民業圧迫になっても良いではないですか。

官だから仕方ないということはなく、官だから儲けてはいけないということでもありません。

官にも民にも甘えを無くす。
規制緩和の基本のはずです。

寺本名保美

(2013.08.21)



弛緩?

社会人になって、おそらく初めてお盆休み期間に、ちゃんと夏休みをとりました。

親戚を訪ねてお盆休み中の従姉妹としゃべくり、スイカを食べて畳で昼寝…
一度もパソコンのスイッチを入れることもなく、大変に正しい夏休みの過ごし方を、満喫してました。

それでも、スマホで、市場の状況も業務連絡も見れてしまうのが、玉に傷。

一週間ぶりの市場は、米国金利が3%目前と、これもまぁ正しい方向へ水準訂正。
いつかは終わる量的緩和が、9月だろうが12月だろうが、関係無かろう、と思ってしまうのは、暑さと休みで頭が弛緩しているからでしょうか…
寺本名保美

(2013.08.20)



溶けてしまいそうなので、なつやすみ。

とっても空いている通勤電車から、とっても混んでいる新幹線ホームを経て、関西に向かっています。

今日まではお仕事。
明日から一週間夏休みを頂きます。

明日から夏休みだと思った瞬間、暑さのせいもあり、脳ミソがアイスクリームのように溶解を始めました…

スイッチの入っていないときの私は、本当に使い物になりません。
気分むらがありすぎます、と書かれた子供時代の通信簿を思い出しました。

ということで、明日から来週の月曜日迄お休みを頂きます…

お客様へ
会議の予定など、急ぎのご連絡等ございましたら、メールにてご連絡いただけますでしょうか。

では、今日一日頑張ります!!
寺本名保美

(2013.08.12)



健全な経済のために

ここにきて、米国の連銀関係者がQE3の早期縮小で足並みを揃えてきています。

雇用統計の数値の良さだけでなく、米国の足元の企業業績や住宅関連指標のやや過熱気味な数字が理事の人達の判断に影響してきたのでしょうか。

幾ら景気が上向いてきたといっても、先進各国の経済成長の水準がたかが一桁前半であることには変わりありません。
決して堅固ではない経済基盤において、その足を引っ張ることになりかねないインフレの管理は、これまで以上に重要になるのです。

米国が健全な回復をするためにも、無駄な流動性は、一旦解消する方向で、米国の舵は切られはじめたようにみえます。
寺本名保美

(2013.08.09)



禁固100年

この4-6月の特殊詐欺被害が、史上最悪となったそうです。

最近実感として思うのは、電話番号リストの不思議です。

詐欺ではありませんが、先日の都議選や参議院選挙の前後に、選挙区の候補事務所から、自宅に電話がかかってくるようになりました。
それも与野党問わず、複数の政党からです。

住所と電話番号がセットで出回っているとしか思えないことが、これ以外にも度々あります。

携帯を持たない高齢者にとっては、電話番号を変えるというのは容易なことではありません。

特殊詐欺の被害、1日換算で、1億円だそうです。

結局のところ、協力業者も含めて
刑事罰をトコトン重くしていくしか、被害は減らないような気がしています。
寺本名保美

(2013.08.08)



資産運用復活の兆し?

昨日の日記が、一夜明けたら、解読不能となっていました。
別に、誰の悪口を書いたわけでもなく、恨まれるような内容でもなく…被害妄想?!

気を取り直して、昨日の続きを少し。

この数か月、対ベンチマーク対比でみても、絶対収益でみても、異様に好調なファンドと異様に不調なファンドが混在しています。

ポートフォリオ全体のバランスが取れていれば吸収できる範囲なので、心配はしていません。

むしろ、本当に数年ぶりに、資産運用の現場でのアクティビティが復活してきたという意味において、好ましい環境になってきたと思っています。

資産や戦略の選択眼も個別銘柄の選択眼も、この数年にないほど重要になってきています。

唯一気になるとするならば、環境の好転が各ファンドのリスク管理の甘さに繋がることでしょうか。

はしゃぎ過ぎには目を配りつつながらも、この好環境をしっかりと享受していきたいと思っています。
寺本名保美

(2013.08.07)



変化?

大きな市場変動後の四半期報告。

ファンドマネージャーの方たちの話を聞いていると、運用の基本感のような部分に、大きな変化が出始めているように感じます。

市場の方向性というよりは、もう少し根っこに近いところ。
数か月、というよりも、数年単位でのモノの見方の部分の変化です。

デフレとインフレ
新興国と先進国
欧州と米国
債券と株式
サービス業と製造業

諸々と…

大きなトレンドの中の単なる修正なのか。
大きなトレンドそのものの修正なのか。

それが騙しが本物か、も含めてまだ混とんとしています。
寺本名保美

(8月6日更新分が何故か文字化けをしたので、修正版を更新しました)

(2013.08.06)



合併統合が増えそうですが…

米国を中心に、企業の買収合併が盛んです。

株式市場にとっては悪いことではなく、債券市場にとっても今のところ悪影響はみられないということで、金融市場だけを見れば良い傾向といえるでしょう。

ただ、金融機関という、通常の業種と比べ、合併統合の頻度の高い業界に長く身を置く経験から言わせていただくと、企業統合というものはやはりとても困難な代物です。

日本と異なり、欧米では、合併統合など当たり前の企業イベントで、経営も従業員も慣れたものだろうと思うのは、やはり大間違いです。

厄介なのは、統合による財務体質の強化や、シャアアップなどのポジティブな化学反応よりも、組織や人材の劣化といったネガティブな反応の方が、醸成されるのに時間が掛かる点にあります。

日本においてもこれから増加するであろう合併統合。
企業統治とのバランスをとることの難しさに直面することにならなければよいのですが。
寺本名保美

(2013.08.05)



組織としての息づかい

組織には意志があります。

それが、経営トップの意志の反映であったり、長年のカルチャーであったり、従業員のムードであったり、と原因は様々ですが、組織という生命体の出す息使いというものを感じます。

攻めている組織、守りに入っている組織。
生き残ろうとしている組織、手仕舞を考え始めた組織。

そして、自ら決断出来ずに、オドオドと様子を窺っている組織。

当人逹は気が付かないような、この息づかいの変化にについて、顧客は意外に敏感です。

本人逹が自覚したときは、時すでに遅し、ということもあります。

大きな岐路にある厚生年金基金制度。
全ての業界関係者の意志が問われています。
寺本名保美

(2013.08.02)



技術大国への道

NECがスマートフォン事業から撤退を検討していると報道されています。

きっかけはDOCOMOのツートップ戦略と言われているようですが、時間の問題だったのかもしれません。

世界の市場がどんどん均一化していくなかで、コモディティ化した市場が寡占状態になるのは自明です。
液晶テレビの時もかきましたが、日本の企業は製品がコモディティ化し、技術の付加価値が失われたと判断した瞬間に、出来るだけ早く撤退すべきです。

技術大国になるというのは、そういうことだと思います。
寺本名保美

(2013.08.01)


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