2012年08月の思いつき


せめて気合ぐらい…

昨日の日経新聞大機小機の題名「期待インフレ率と気合インフレ率」

上手い!

私だったら、さながら「期待収益率と気合収益率」という感じでしょうか。

今時の運用機関が持ってくる期待収益率は、気合も入っていなさそうなので「気持収益率」ぐらいかもしれません。
実はともかく、せめて気持ちだけでも…の気持ち?

どうも最近イラついているのか、ここでの文章も棘が目立つようなので、来週1週間夏休みをいただきます。

リフレッシュした再来週からは、またいつも通り穏やかにコラムを再開します。
寺本名保美

(2012.08.24)



また後退

「マイナンバー法案」が自民党の反対で流れる見込みであるとの報道が出ています。

税と社会保障全体を統括して管理するには、絶対に必要な制度であると思うのですが、どうも昔から自民党はこの手の法案に消極的にみえます。低所得者層へのバラマキに利用されるだけならいらない、という議論は単なる詭弁に聞こえます。

今回の消費税を巡る協議などをみて、自民党も野党になってから少しは大人になったのか、と思っていたのですが、こういった票に直接かかわる問題になると、やはり昔の体質が出てきてしまうということでしょうか。

政治業って、本当に進歩のない業界です。
寺本名保美

(2012.08.23)



でもしかアップル

アップルの時価総額が、歴代最高記録を更新しました。

過去のマイクロソフトが、ITバブルの象徴であったとするなら、今のアップルは何を象徴しているのでしょう?

グローバルなボトムアップマネージャーの中にはアップルを保有していないところも多く見かけます。

仮に保有していたとしても、アップルについて熱く語る人に出会うことはまずありません。

今のアップルの株価は、アップルを買いたいというよりは、単に米国優良株に投資する手段として、アップルを選んでいる「でもしか」投資家によって支えられているように見えます。

2005年に日本株にミニバブルが起きた際、よくわからないけどキヤノンを買った…という海外投資家の行動によく似ているように思います。

そう言う意味では、アップルの時価総額は米国株式市場全体のバブルを象徴しているのかもしれず、そろそろ要注意ゾーンに入ってきているのかもしれません。
寺本名保美

(2012.08.22)



緊張している?

顧客先で、運用機関の話を聞くとどうしてこんなにストレスがたまるのでしょう。

と言うよりも、私達と直接話をする時は
運用機関の皆さんはもう少し説明が上手だと思うのですが、顧客の前に出ると何故こんなに下手になるのでしょう?

緊張するのか、上司が一緒だからか、、、

聞いているこちらの方が胃が痛くなってきます…
寺本名保美

(2012.08.21)



暑い中お疲れ様です…

今日、10時過ぎに、銀座~東京駅方面を通り過ぎました。

オリンピックパレードに向かう人・ひと・ヒト。

JR・地下鉄問わず、あらゆる開口部から、人が湧き出てくる様を見て、「地球を支配しているのは人間ではなく蟻である」という話がふっと頭に浮かび…

東京は今日も暑いです。
お孫さんの手を引くおじいちゃんを微笑ましくは思いますが、東京コンクリ―トの灼熱を甘くみたら、いかんですよ…

いっそうのこと、銀座通りのビルの上から、水でも撒いてみたらどうかと思いつつ、人込みを避けてとっとと涼しいオフィスへ帰還です。

寺本名保美

(2012.08.20)



技術のビジネス化

米国特許商標庁特許取得件数ランキングによると、上位20社の内10社が日本企業、上位30社の内14社が日本企業となっていて、日本が今でも技術立国であることがよくわかります。

但し、登場する企業の顔ぶれを見る限り、それがどうも利益に繋がっていないような気がするのは悲しいことです。

ちなみに話題のシャープは29位にいます。

他人に真似されるような技術を作る、という志はとても崇高です。ちなみに私はシャープの製品が好きです。
ただできることなら、「真似される」、のではなく、「お金を積んで買いに来る」ような技術のビジネス化ができなかったものかと、どうしても思ってしまいます。

「技術のビジネス化」は企業レベルではなく、政府の役割の方が大きいのかもしれませんが。
寺本名保美

(2012.08.17)



夏休みの課題の失敗例

厚生労働省が出したパブリックコメントへの意見書を提出しました。細かいところは、各基金様や運用会社さんが出してくれるものとして、自分に関わりのあるところに限定した意見書です。TOPページからリンクを貼ってありますので、ご興味のあるかたはご覧ください。

ところで、企業年金連合会も昨日この意見書を公表しています。人様の意見に文句をいうのもいかがかと思うのですが、一言だけいわせてください。

オルタナティブ投資に係る運用商品の選定にあたっての確認事項についての意見。、どう贔屓目に見ても変…。というか、業界関係者として赤面…。汗がでる…。

このパラグラフ全体が変なのですが、何よりも
「同商品の確認に時間を要してしまうことも考えられることから、投資機会を逸失してしまう可能性がある。」というくだりは、今からでも削除でしょう…

年金基金より、間違いなくプロである、金融機関等の投資家が、一つの投資案件の決定にどれだけの人と時間を掛けていることか。
リスク確認をする間もなく、投資機会がなくなってしまうような戦略は、ご縁がなかったと思って、すっぱりとあきらめることです。

こういう文章を出すと、この業界がこの半年どれほど苦悩し反省したのかということを、世間様に疑われてしまいます。
はぁ 脱力…
寺本名保美

(2012.08.16)



グローバル経済最大の功績

国内での不満を、海外に仮想敵国を作ることで、ガス抜きをする、という古典的な政治手法が、今もって健在であるということがよくわかる昨今の国際情勢です。

一時代前であれば、欧州はとっくに南北戦争に突入していたかもしれず、アジアの海と島のあちらこちらで、大砲が高鳴っていたかもしれません。

でも現実に火を噴くことはなく、感情的な主張も行動も、まさに「ガス抜き」のレベルで収まっていることは、歴史的にみれば本当に画期的なことに思えます。

グローバルに繋がる経済が巨大化し、政治を支配する構造。
それはそれで新たな問題も発生させていますが、それでも今はこのグローバル経済を核とした世界の均衡というものが、究極の抑止力になっていることを、素直に評価すべきだと感じています。

世界規模の最後の戦争が終わった日に。
寺本名保美

(2012.08.15)



嫌われないという特技

ロイターに掲載されてた、オリンピックの勝ち組・負け組。

負け組にランクアップされていたのが、英国の納税者と傘の売り子…

五輪開催費用は90億ポンド(1兆1千億円)だそうです。全額税金だとは思わないですが、やはりオリンピックはお金がかかります。

傘の売り子、って思わず笑ってしまいますが、確かにマラソンとか見ていても、よいお天気で、ロンドン名物の雨はあまり降らなかったようですね。

私としては、国でみた場合の「日本」は意外と勝組だったような気がしています。今回、何度か引っ繰り返った判定の裏には、観衆の拍手と声援の後押しがあったと幾人かの選手がコメントしていました。サッカーのワールドカップでも同じですが、こうした国際試合があると、日本という国の国際的なイメージが好転する傾向があるのは、嬉しいことです。

「国として嫌われない」ということは、国際社会を生き抜くには、とても大切な要素なのではないかと最近つくづく思います。
寺本名保美

(2012.08.14)



世代の産物

お盆休みです。

会社には3人しかおらず、電話も鳴らない。
静かで、幸せ…

オリンピック終了!
私にとっては、女子バレーボールの銅メダルで、オリンピックが完結。

なんといっても「サインはV」や「アタックナンバーワン」で育った世代ですから、オリンピックと言えばバレーボール!

お父さんは草野球、お母さんはママさんバレー、という草の根ベースの競技人口の厚みが、その国の競技レベルを左右する、というのは、本当のことのようで、我々の子供達世代がメダルを復活させたのは、それなりに説明力のある結果のようです。

人口と世代統計がモノを言うのは、株式市場も含め、社会の鉄則なのかもしれないなどと思いながら、女子バレーの記事に感涙する昼下がり…
寺本名保美

(2012.08.13)



事業債市場の軋み

個人的に、日本の株式市場の低迷や、国債市場の格付けについては今のところそれほど心配はしていません。
ただ、日本の事業債市場の行方については、すこし嫌な感じがしています。

90年代の信用不安、02年や03年の信用不安、08年の信用不安、とこれまでいくつかの危機を乗り越えてきた日本の事業債市場ですが、足元の状況はこの過去3回の危機より深刻な状況になりかねない様相があります。

そもそも事業債市場は、大手優良企業を中心とした発行市場です。従って経済全体の低迷や信用不安の影響を、直接的には受けにくい構造にありました。景気の波のなかで、財務体質の弱いセクターや特定企業に破たんが集中することがあっても、市場の根幹をなす部分での健全性は保たれてきていたのです。

ここにきて、この市場の根幹をなす部分に、軋みが出てきているような気がしています。現状の金融システムは他のどこの先進国より盤石な日本ではあるのですが、本当の土台の部分に意外な亀裂が入っていないか、注意しておいたほうがよさそうです。
寺本名保美

(2012.08.10)



お疲れさま~

消費税を含む一体法案が、通りそうです。

野田総理、これでクビになってしまうかもしれませんが、ご自身が目指す「決められる政治」が実現できたなら、それも本望でしょう。

消費税が通って、民主党政権が流れる、というシナリオは、少なくても株式市場にとってはベストに近い展開です。

あとは、あまりゴチャゴチャさせずに政界を再編させて、とっとと予算審議に入ってくれれば言うことないのてすが…

まぁそこまでは期待していません。

とにもかくにも、野田さんお疲れさまでした~って、もう過去形?
寺本名保美

(2012.08.09)



ごめんなさい

本日は時間調整の失敗により、思いつきはお休みします。

(2012.08.08)



数字は伸びないけど…

京都に向かっています。

煮詰まった心身をリセットするには、良い出張です。

まぁ四半期報告会なので、楽しいお仕事ではありませんが…

ところで、京都を舞台にした、清盛大河。
記録的な低視聴率とのこと。

私は好きなのですが…

そういえば、私が好きだと思う運用商品も残高があまり伸びない…

何か共通項がありそうな?!
寺本名保美

(2012.08.07)



夏休みの課題作品

今回、厚生年金基金の運用に係るガイドラインの整備案が厚労省から出たことなどをきっかけに、厚生年金保険法とか、厚生年金基金令とか、確定給付企業年金法とか、そのガイドライン、とかの運用に関わりのありそうなところだけ、一通り読んでみました。

普段は、関心のあるところを行単位で確認することしかしない法律文章を、通しで読んでみると、それなりに一つの物語、というか意志のようなものを感じられて面白かったです。まぁいわゆる「法の精神」ということでしょうか。

意外に良いことが書いてあると感心する一方で、言葉使いやニュアンスの難しさはやはり実感せざるを得ず、特に語尾の言い回しが、強制なのか指導なのか精神なのか…、でどうすればよくてしないとどうなるのかは解釈次第、みたいなところは改善して欲しいと思いました。

制度に関わる皆様、それを批判する皆様、マスコミの皆様、できれば加入員の皆様、夏休みの課題として、一度読んでみることをお勧めします。
寺本名保美

(2012.08.06)



リップサービスの罪

ECBのドラギ総裁の会見。
特別ひどい内容だったとは思わないのですが、市場の反応は悲惨なものでした。

そもそも1週間前にドラギさんが「根拠のないやる気」を見せたところから、話は歪んでいるわけです。

今さら、「ドイツが反対しているのは、皆さんご存知の通りです」などと言われても、「ふざんけんな!」という感じでしょうか…

体力のない市場を無駄に乱高下させるのは、炎天下でマラソンをさせるようなもので、こんなことを繰り返すと、本当に投資家は死んでしまいます。

まぁ政策的に行き詰っていくなかで、せめてリップサービスぐらいは、という気持ちもわからないでもないのですが…
寺本名保美

(2012.08.03)



誰か何か悪いことしましたか?

朝8時の東京の太陽、何か怒っているの?と聞いてみたくなる程の強さです。

昨今の日本の株式市場、何か悲しいことでもあったの?と聞いてみたくなる程の弱さです。

海外持ち株比率の高い銘柄が、文字通り「たたき売られる」様は、異様な感じがします。

何か大きな日本株ファンドが現金化されている様なことが起きているのかもしれません。

基本的には中国の景気後退懸念が高まる中、
アジア株全体のヘッジとして流動性の高い日本株が売りの対象にされやすかったのが主因だとはおもいますが、それにしてもひどすぎます。

いずれにしても一時的な需給要因だと割り切って、しばらく様子をみるしかなさそうです。
寺本名保美

(2012.08.02)



見つめられると、、、気が遠くなる?

運用機関の皆さん。
四半期報告会や役員会で説明に詰まった時、困った顔で私を見つめるのは止めていただけますか…

見つめられると、つい代わりに説明したくなってしまうのは、私の悪い癖なので、最近はできるだけ説明者と目を合わせないようにしています(?)

で、うつむいて聞いていると、頭がボーッとしてきて、、、

あっ、これはオリンピックの夜更かしのせいでした。

今日も四半期報告!ガンバロー
寺本名保美

(2012.08.01)


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