2011年06月の思いつき


あぢぃ

ギリシャ、第一関門突破。売り手の買い戻しは誘ったものの、新規で買いたいと思うには至らず。

そもそも割安感が強く、売り手が少なかった日本は買い戻されることもなく、あまりの暑さにやる気もなし。

新規で売りたい人はそこそこ居そうで、次のターゲットはアメリカですか。

こんな相場儲かるわけもなく、アクティブファンドもヘッジファンドも6月後半はボロボロ?

それにしてもあつい…
寺本名保美

(2011.06.30)



振り回されて

ギリシャの財政緊縮法案の採決が、今晩と明晩で行われます。
ロイターによれば、300人の国会議員の内、与党155人。否決に回ると見られていた3人の与党議員の内一人が賛成に回るらしい、との観測で、全世界の株価は1%上昇。

一人二人のギリシャ議員に世界金融が振り回されるのは、ある意味滑稽でもあり、これはフィッチのソブリン担当責任者自身が指摘しているように「格付け」というものに市場が振り回されすぎていることの裏返しでもあります。

どこかで馬鹿馬鹿しいと思いつつ、息を潜めて成り行きを見守るとしましょう。
寺本名保美

(2011.06.29)



えっ 沈む?

最近、雑誌などでよく見かける東京「液状化」危険度マップ。

雑誌だけでは不安だったので、自分でサイトも確認しましたが。

どれを見ても、「東京証券取引所」がレッドポイント上にある。

きっと気のせいだとは思うのです。

でも、確認しましたが。

その地域全体、ということではなく。

単に東証がピンポイントで赤の上。

株価が一生懸命浮上しようと頑張っているのに、母屋が沈んでどうする。。。。。。
寺本名保美

(2011.06.28)



もう少し時間をください

弊社のお客様の多くは、今年度現金比率を高めに維持していただいています。

基本的には、目先のイベントの峠を超えれば、再投資をしていただくのですが、峠がどこにあるのかよくわからない状況が続いています。このところ毎日そろそろいいか?と思いつつ、未だ決定打に欠ける日々が続いています。

峠を越えられると思っているのであれば、人々が悲観的である今のうちに再投資を行うというのも一つの選択肢ではありますが、遭難するリスクを読み切れないなかで歩き進むには、遭難した際のダメージが大きすぎます。

お客様には申し訳ないのですが、状況を見極めるのにはもう少しお時間をいただくことになりそうです。
寺本名保美

(2011.06.27)



怒ってる?

米国のファンドマネージャーに、8月にくる米国の債務上限問題について、どの程度の危機感を持っているかと尋ねたところ、「問題そのものには非常に大きな危機感を持っているが、この問題を政治的に利用している政治家達に対し、米国国民は非常に怒っているので、政治家はきちんと対応すると思っている」という返答がきました。

政治家が自分のポリティックスでしかモノを考えていない役たたずなのは、米国も日本もギリシャも同じ。だから、何も日本だけ政治の無能を悲観しすぎる必要はないとも言われました。

国民が本気で怒ると、政治家が真面目に働くようになる、ということが成り立つのなら、今の日本は国民が本気で怒らないから、政治家が働かない、ということになります。

さて、日本の国民は本気で怒っていないのか、それとも怒っていることが政治に伝わっていないだけなのか、どちらなのでしょう?
寺本名保美

(2011.06.24)



風土病?

原発事故調査委員長の畑村さんのコメントに、「原発で働く人が決められた範囲の外側に関心を示さないやりかたになっていた。それがすごく危ないと思いました。」というのを聞いて、以前に書いた「ロケットの失敗」を思い出しました。 過去の思いつき

日本の風土病なのか、大企業病なのか。

運用機関をみていても、当時と印象が変わらないのも、情けないことです。
寺本名保美

(2011.06.23)



リスクオン リスクオフ

今年の金融市場の流行言葉は、「リスクオン・リスクオフ」。

このことば、一般の方に説明するのは意外に難しいのです。

リスクのスイッチがオン、つまり市場の「危険度が高まった状態」を指すのではなく、投資家がリスクを取りたいと思うような場面、つまり「市場の危険度が低下した状態」を「リスクオン」と言います。

反対にリスクオフ、とは市場の危険度が高まり、投資家が「質への逃避‐fly to quality」を望む状況のことを指します。

このリスクのスイッチの「入」「切」が、毎日入れ替わるのが、今年の金融市場の特色で、スイッチオンの時に好まれる市場の代表が資源通貨や新興国や商品市場で、スイッチオフの時に好まれるのが流動性が高い主要国通貨や国債やブルーチップの株式、という具合です。

ですから、特定の市場や銘柄が買われたり、売られたりする理由がその市場が「オン」グループの所属か「オフ」グループの所属かによるかだけで、市場の個別材料は全く無視される、という現象も頻繁に起きます。

部屋の電球を頻繁に入り切りすると、電球の消耗が激しくなるように、リスクのスイッチの出入りの激しさもまた市場の消耗を加速します。ヘッジファンドにはアクティブマネージャーにも嫌な環境が続いています。
寺本名保美

(2011.06.22)



駄々はそろそろ

毎日毎日ギリシャギリシャとかしましい、と思いつつも、今日も一つだけ。

今年になってからのギリシャショックの発端となった、「欧州安定化基金債権が一般債権より優先するとの条項」を、EUがギブアップしました。

この条項の存在がギリシャとポルトガルの格下げのきっかけだったので、今回のEUの決定は非常に大きな意味を持ちます。


そして支援側のドイツにとっては最大級の譲歩です。

後は格付け機関と当のギリシャの駄々を少し黙らせれば事態は収束に向かうはず、です。
頑固親父の堪忍袋の緒が切れない内に、誰かバンソコで駄々っ子達の口を塞いでくださいな…

(2011.06.21)



事の是非ではなく、現実としての消費税

「消費税を上げないと、金融市場で問題が起きる。」と、菅総理が言及しました。

現在起きている、各国の財政問題が金融市場でどれほど深刻に受け止められているかについて、経済の専門家であっても、金融ではなくマクロ経済からものを見ている人には、ピンときていないかもしれません。

「財政問題」ではなく、「財政危機」の連鎖が金融市場の導火線になりつつあるなかで、日本もまたこの導火線上に乗っていることは間違いありません。

「金融市場が経済を壊す」ことの是非を問うている時間はもうほとんどなく、「壊されないために何ができるのか」を現実的に考えざるを得ないのです。

問題が本当に深刻化しなければ決断できないという日本の悪い癖が、今回も出なければよいのですが。

(2011.06.20)



QE2から学ぶこと

日本の企業の現預金残高が200兆円を超えました。内、150兆円相当が流動性預金と現金です。

一方で、5月の自社株買の予定額が前年同月比約5倍と、2年6か月ぶりの高水準になりました。大手企業では100億円単位での自社株買予定額を設定するところもできてきています。

先進国全体でみても企業のバランスシート上の現預金残高の多さは、2008年の金融危機後の3年間にわたり継続している現象で、3月の震災で設備投資が一時的に停止したという日本固有の事情ではありません。

米国のように、この手元流動性を利用した企業買収が活発化し、マクロ経済の弱さを企業イベントの強さで補って株式市場を底支えする、というのも一つですし、自社株買いも必要ではありますが、いずれも株価にプラスであるだけで、実態経済への資金循環促進には、あまり効果はなさそうです。

雇用の伸びない米国経済も、生産活動の低迷する日本経済も、政府から銀行、銀行から企業までは通った資金のパイプラインが、企業の巨大な貯水湖で滞留していることに、ボトルネックがあります。

民間の巨大な貯水槽に溢れかえるほどの水があるなかで、さらに日銀が10兆円単位の国債買い取りを迫られているのも、なんだか不思議な感じがします。米国のQE2が実態経済には効果がなかったといわれている理由をよく考えてみたほうがよいのではないかと思います。
寺本名保美

(2011.06.17)



金融危機の織り込み度合

日が経つにつれ、混乱度を増すばかりのギリシャ問題。

いかなる債務再編もあり得ない、と強調する各国首脳の言葉を、市場は徐々に信用しなくなりつつあります。

とはいっても、この問題を織り込みつつあるのは、金融市場の中でも比較的足の早い市場のみで、実体経済に近い部分ではまだ杞憂の域を超えていないようにも見えます。

例えばギリシャへのエクスポージャーが高いと言われているフランスの金融機関の信用スプレッドは急激に拡大していますが、サブプライムショックの時に見られたような、ドイツとフランスのインターバンク金利のかい離、というような現象までは目に見えては起きていません。

金融機関全体の信用力を表すOISという指標についても、ギリシャショックが初めに起きた昨年の5月に比べれば、まだ低位にあります。

こうした状況が金融危機を織り込むほどまでは事態が悪化していない、という前向きなシグナルともいえますが、こうした数値が動き始めた時はすでに手遅れ、という見方もできます。
注意するにこしたことはありません。
寺本名保美

(2011.06.16)



大阪リニューアル♪

5月のリニューアルオープン後初めてJR大阪駅に着きました。

大阪駅がきれいなんです!明るいんです!おしゃれなんです!

あまりに衝撃的だったので、写真を撮ってしまうぐらいピッカピッカ。
半径1キロ圏内に、大丸阪急阪神伊勢丹三越+巨大ヨドバシ。新宿の南口+西口+東口ぐらいの規模の商業施設。

凄いぞ大阪。頑張れ大阪。大丈夫?大阪。本当にがんばれ…大阪…。

気のせいか人の流れも多くみえ、活気がでてきたようにもみえます。

今年の日本を支えるのは大阪かも!?と思ってしまう、素敵な駅舎誕生。おめでとうございます。
寺本名保美

(2011.06.15)



投資家の信頼

ヘッジファンドの業界残高が過去最高を超えたといわれていますが、中身をみるとそれほど活況ともいえません。

例えば業界へのNETの資金フローをHFRの統計からみてみると、2008年2009年と大幅に流出超となった後、2010年は2009年の純流出の半分ぐらいの規模で流入しているにすぎません。

業界残高が増加しているのは投資家資金が戻ってきているのではなく、パフォーマンスによる時価増の影響のほうが大きいのです。

米国の年金基金などは、株式に偏った資産配分を株式系のヘッジファンドなどに分散させる傾向が出てきてように、従来型とは異なる投資家層も拡大してはいるのでしょうが、投資家全体の信頼をヘッジファンド業界が完全に回復したというには、まだ道のりは遠そうです。

最近、日本の年金に、業界大手のヘッジファンドが直接アプローチをしにくるケースが増えています。
ゲートキーパー経由ではなく、直接お客と向き合いたい、という彼らの姿勢は、投資家の信頼を取り戻す過程にいる彼らなりの努力の表れなのかもしれません。
寺本名保美

(2011.06.14)



陰々滅滅としたイベントリスク

これから8月にかけて想定される陰々滅滅とした各種インベントについて、経済インパクトを考えたら起きるわけがない、というロジックでどこまで頑張れるか、少し不安になってきました。

とりあえず身の周りの話では、日本の原子力発電で定期検査後の再稼働が継続的に認められず、最終的に全原発が停止する、というシナリオが現実化しそうな気配を漂わせています。株式マネージャーが懸念ではあるが現実化しないだろう、といっていたイベントの一つです。

米国の8月2日の財政破たん。最終的にはデフォルトはしないはずですが、リーマンショック後の公的資金投入案が議会で一旦否決されたあと再可決した時程度のイベントはあるかもしれない、との囁き声が日ましに大きくなってきます。

ギリシャは、キャスティングボードを握っているのがIMFでもEUでもなく、格付け機関であるという点に、イベントの発生をコントロールしきれないジレンマがあります。

起きるはずのないことに備えたポートフォリオで夏場はしのぐしかなさそうです。
寺本名保美

(2011.06.13)



小さな革命・小さな視座

「革命…その時“オセロ盤”が動いた‐産経WEB」

卓上ゲームの定番「オセロ」に革命が起きたらしい(笑)
オセロ台の外側2列分を、4コマを1ピースとして、はずせたり、動かせたりするようになったとのこと。

このオセロ版をつかった新しい遊び方は決まっているわけではなく、ユーザーがそれぞれルールを作っていく、というもの面白いです。

部分的に削除したり、場所をひっくり返したり、というのは、デジタルの世界では当たり前の作業ですが、それをオセロ版という超アナログの世界に当てはめると、意外な新鮮味があります。

デジタルしか知らない世代が新しい感覚でアナログ商品を見直すとこんな革命も起きるのだと、これからの社会を考えていく際の小さな視座を与えてくれたできごとでした。
寺本名保美

(2011.06.10)



森林♪

先日久しぶりに森林投資の話を聞きました。

投資期間が10年を超えますし、社内でも全く賛同を得られないので、なかなか年金スポンサーの方にご紹介するのは難しいのですが、個人的にはやっぱり好きです。
「収益の源泉が、木の成長」というフレーズ、魅力的ではありませんか?

政治も経済もさっぱり当てにならない人間世界ではなく、人間の手垢にまみれた農産物の世界でもない、潜在的な成長力に妙に惹かれます。

あまりにも成長しない経済環境に長く居すぎた、反動かもしれませんが。
寺本名保美

(2011.06.09)



再びの70円台…

金融市場というものが、現在の市場価値、ではなく、その市場の方向性を評価するものであり、今後の方向性に賭けていくものであるならば、今の円高は説明がついてしまいます。

日本はそもそも景気の回復度合いが遅く、かつ震災と原発で現在の生産活動は最悪期にいます。これまでの日本に誰も期待していない分、だれも失望していません。

それに比べると、欧州も米国もこれから悪くなるシナリオは幾らでも描けます。
目先の企業業績が好調である分だけ、期待感は強く、その分マイナスイベントに対する失望感も強くでます。

上は見込めないものの、悪くても現状程度の市場と、発射台がやや高く下への恐怖心がある市場とを見比べると、日本が一番安心な市場に見えてしまってもしかたありません。

中国政府高官が言うように、米国は失速直前の経済のテコ入れで、ドル安誘導に入るのではないかという懸念もあります。

水準が中途半端で介入もできないこともあり、このままジリジリと円高が続く可能性も想定しておいたほうがよいかもしれません。
寺本名保美

(2011.06.08)



一刀両断は難しい

情報の正確性にこだわるあまり、タイミングがいつも遅い日本政府。
一方で、スペイン産キュウリだ、否国内産モヤシだ、否それも違う、と風評被害などものともせず、スピード勝負で発信を続けるドイツ政府。

風評被害がでると、それを必ず食べに行く日本の政治家。
地元に対し「レストランで未だにサラダをメニューに載せているのは信じがたい」とまで言ってしまうドイツの州知事。

全てのステイクホルダーに対する最小被害を目指すと、傷は浅くても治癒には時間がかかり、目の前の被害の最小化を目指すと、傷は深くても治癒は早い。

さてどんどん深みにはまるギリシャ問題。「傷が深くて治癒も不能」ということも想定せざるを得ない状況なだけに、さすがのドイツも一刀両断とはいきません。

「莫大な無駄を承知で、半年・一年と、時間を稼ぐ」という、ドイツ人が最も嫌いそうな方向へ、議論は進みつつあります。

ギリシャに食中毒。欧州も大変そうです。
寺本名保美

(2011.06.07)



商品取引規制の進展

国連が商品取引市場への各国の積極的な規制を望むと声明を出しました。

地球規模での人口増加。地球規模での天候不順。と何もしなくても一次産品の価格抑制が難しくなっている中、金融資産からの資金流入を受け入れる余地はないと言っています。

現物ではなくて先物であればよい、という問題ではなく、現物の需給と先物価格との連動性が薄れることで、先物本来の役割である一次産品業者のヘッジ取引にも支障が生まれているという指摘もされています。

5月の上旬に急落した銀先物取引では、その先導的役割を担っているのは中国の一般個人だと英国のファイナンシャルタイムズは報じていました。

グローバルに商品取引規制が強化されるのは、それほど遠い日ではないかもしれません。この市場、崩れ始めてから逃げるのは至難の業です。ご注意を。
寺本名保美

(2011.06.06)



馬鹿ね…

つい先日まで、菅さん辞職を煽っていたはずのテレビが、突然被災地の人々声、とかを引き合いに出し始め、今は政局をするべきではない、という雰囲気を醸し出した途端、家出を企んでいた小鳩ちゃんは自分の巣穴に戻ってしまいました。

などという話はもうどうでもよくて。

但し今回途中で仕事を投げ出して辞表を出した副大臣などの政務三役は、「今後10年間大臣への指名停止!」という感じでしょうか。
少なくても私の選挙区にいたら、一生投票しない。
日本の行政において、国会議員の役割が如何に軽いかを、自ら露呈しただけの辞表。情けなくて笑ってしまいます。

家で母が一言「男の人って馬鹿ね…」
すみません、偏見ですけど。
寺本名保美

(2011.06.03)



時間切れ?

一昨日の「米国住宅価格が二番底」というニュースは、意外性はなかったものの、やはりとても嫌なニュースでした。

リーマンショック後の各国の協力な財政出動によって持ち直したのは、単に株価などの金融資産価値だけであって、実体経済を治癒する効果が殆んどなかったのではないか、という一部の人々の持つ不安が市場で共有され始めるような気がしています。

政府ができることは、おぼれそう人に浮輪を投げて、時間を稼ぐことでしかなく、岸に辿りつくためのエンジンを搭載した船を出してくれることではないという現実を、市場は改めて認識する必要があります。

人々が必死で浮輪に捕まっている横で、政治が暴れてかえって波を高くしているのは、日本だけではありませんが。
寺本名保美

(2011.06.02)



お知らせ 2つ

先週から、このホームページを少しずつリニューアルし始めました。

とりあえず、コンサルティング項目については、かなり大胆に公開しています。是非一度ご確認ください。

もう一つお知らせです。
年金基金スポンサー様向けの定例セミナーですが、当初お知らせしていた7月21日ではなく、7月19日に行うこととなりました。
今回は、弊社提携先の数理人をゲストスピーカーに呼び、年金ALMとの正しい付き合い方について、少し刺激的なお話をさせていただくことを考えています。
詳細は、また改めてご連絡いたしますのでよろしくお願いいたします。
寺本名保美

(2011.06.01)


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