頑張れ~
新興国はお休みでもアメリカがあるさ!という昨日のGDP。どこまで継続するかは別として、嫌な雰囲気を一旦切ってくれたという意味では、何よりでした。
ところで気になるのが、前原大臣の宙を彷徨う眼。大丈夫ですか~~~?
長妻大臣も元気がない。舛添さんはやや出すぎだったにしても、長妻さんは大臣としての顔が見えなさすぎます。
消耗しているのはわかりますが、それを国民に見せてはいけません。
鳩山首相お元気そうで結構なことです。
(2009.10.30)
一旦終了?
中国、インド、香港と、投機資金の回収に動き出しています。
バブルでも、投機でもいいから、自分達の体力が戻るまで今しばらく踊っていて欲しい…という先進国側の都合のよい願いは、どうやらここまでのようです。
むしろここまでよく頑張ってくれたと感謝こそすれ、恨んでもしかたありません。
しばらく調整でしょうか。
(2009.10.29)
大合併
2000年に行われた中央信託と三井信託との合併は、『年金の運用部門』だけでみれば、私が過去見た中で最も効率的な組織統合でした。部門の重複はほとんどなく、残す部門と切る部門が早い段階で明確化されたため、残ったファンドについてはスタイルやマネージャーの変更を意識することなくモニタリングを継続することができました。
もちろん、会社としての水面下の争い、営業部門での混乱、等々、我々の目に触れない部分では、相当なことが起きていたことは想像に難くありませんが、とにかく年金業務の根幹である運用部門についてのレピュテーションの維持、という一点に関しては及第点の処理だったと思います。
住友信託と中央三井が合併することになりそうです。比較的大人しい二社の合併だった2000年とは異なり、今回はかなりカルチャーの異なる組み合わせです。せっかく良い前例があるのですから、少なくても運用部門だけは「船頭少なく」「時間を掛けず」「選択と集中」をモットーに、テキパキ処理して欲しいと切に希望します。
(2009.10.28)
原稿を読まない
社会人2年目ぐらいの時、外国人投資家に債券市場のレクチャーをしなければいけなくなり、必死の思いで準備をしてレクチャーが終わった途端、上司から一言「二度と人前で原稿を読むな!」「どれほど下手な英語でもいいから自分の言葉で話せ」
何を無茶な、と思いましたが、他人のプレゼンや報告を聞く立場になった今では、言われていたことがよくわかります。
事前にどれほど準備した文章であっても、原稿を読み上げたセリフからはその文章の意図がほとんど伝わってきません。不思議なことに書類の文章をお互いに目で追いながら読み上げる分には、つまらないながらも頭に入るのですが、相手が一方的に原稿を読み上げるのを聞くのはかなり苦痛です。
要点を外さないか心配であるのなら、せめて箇条書きのメモまでが許容範囲でしょう。
原稿を読まない癖を付けさせてくれた当時の上司に感謝です。
(2009.10.27)
全国のサラリーマン本当にそれでいいの?
JALの年金問題。特別立法を作ってまで、つまり現行法では削減できないということを政府が認めているにも関わらず、削減するということの重大さと今後への影響を、社会全体としてもう少し認識すべきなのではないかと思っています。
問題となっている年金は、二次加算・三次加算、と呼ばれている、「退職金の年金化」部分です。退職時に一時金として受取るか、年金として受取るかを、選択した結果としての年金ですから、付利部分(確定利回り部分)を削減するとしても、元本部分の権利は受益者にあります。企業破綻時に、未払い給与や退職金が税金に次ぐ債権順位があるように、この年金の受益権も税金に次ぐ債権順位となります。
この金額が高いか安いか、が問題なのではなく、こうした従業員に帰属する支払いを、法律を改正してまで一方的に削減してよいかどうか、という議論が絶対に必要です。
今は、JALの報酬の高さにつられ、マスコミ始め世論全体が減額を支持しているように見えますが、全国のサラリーマンの皆さん、本当にそれでいいのですか?
もし特別立法を作るのであれば年金だけをスケープゴートにしたものではなく、「民間企業の国有化」というスキームについて、株主責任も含めた幅広なスタンダードとなる法案にして欲しいと思います。
(2009.10.26)
ギクシャク
昨日の夕方、欧州の株式市場が1%を超えるマイナスから始まりました。中国経済への懸念とも言われていますが、理由はよくわかりません。
朝起きて見ると米国株式市場が1%を超える上昇でした。好調な企業決算を反映して、といいますが、こちらも定かではありません。
そして今日の日本は、相変わらず死んでしまったように静かです。
世界の株式市場がどこかギクシャクしてきたような気がします。
大きなイベントの前兆でなければよいですか。
(2009.10.23)
運用ビジネスが示唆するもの
米国の大手運用会社がリストラクチャリングの一貫として、東京にある日本株式の運用チームの売却を発表しました。
企業グループとして何か個別の事情があるのかもしれませんが、プレスリリースを読んでいると、「グローバルな機関投資家ビジネスにおいて日本株チームは必要なくなりました」と書かれているように思えてならないのは、穿った見方でしょうか。
日々の売買動向で外国人投資家が買い越した、売り越した、という話をしている分にはまだ短期的な投資行動で済まされますが、組織そのものの撤退は日本株式市場の長期的展望に寄るものになります。
一方で、破綻企業投資や不良債権投資の新規参入者は増加傾向にありそうです。
こうした運用機関の経営戦略が示している日本の近未来には、ひどく物悲しいものを感じます。
(2009.10.22)
株主の責任
債務免除や公的資金の投入は、既存の株主責任、つまり株式価値の毀損とセットです。
株主の権利は、債権者の権利に劣後します。
債権者の権利が毀損するときは、株主の権利は本来全損しているはずです。
これが、資本市場の当たり前のルールです。
日本はバブル崩壊以降、何度となくこのルールを反故にしてきました。今回もまた同じ道を辿るのでしょうか?
資本市場のルールの成り立たない国には、投資資金は決して入ってきません。
(2009.10.21)
ファンド業界のリストラ
株式ロングショート大手のヘッジファンドの創業者がインサイダーで摘発されました。
情報提供者も含め今後10人単位の逮捕者がでるとみられています。
当該事件については詳しくは判りません。ただ、これまで業界の慣習として見過ごされてきたグレーゾーンを摘発するという流れが、今後加速しそうな気がしています。
一方で、開放されたファンド行政で有名なシンガポールがファンドについて完全登録制を導入する方向で調整中、という記事もあります。
昨年の金融危機後、ファンドへの規制強化は間違いなく進行しています。ヘッジファンド、PE、不動産ファンドを問わず、新たな金融行政や会計制度と折り合いのつく道筋を再構築する必要にせまられています。
収益面だけでみれば大幅に改善しているファンド業界ですが、業界の構造改革はまだ手付かずです。ファンド業界のリストラクチャリングはこれからが本番なのかもしれません。
(2009.10.20)
国の説明責任
40兆円を切る税収に、95兆円の支出。
財政規律に比較的無頓着な日本人でも、さすがにこの数字には驚きます。
ちなみに、平成19年、20年とも、税収53兆、支出83兆、という規模です。(補正を入れず)
今のグローバルな金融市場は、国家財政に大変敏感です。
どの国も底を尽きかけている国家財政を、経済の立ち直りを見据えて、いかに有効活用していくか、を投資家は注目しています。
今の民主党の配分が、企業成長や株主還元ではなく、中低所得層の目先の生活を重視していることが、グローバルな投資家には「生産性のない分配」と見えています。
個々人の生活の安定感を維持することが、将来の日本の生産性の向上にいかに繋がるか、ひいては日本の将来の税収にどう繋がるか、を説明しなければ、日本の株式市場だけでなく債券市場も海外から見捨てられる危険があります。
投資家に対する説明責任を求められるのは、企業も国も同じです。
(2009.10.19)
観光庁しっかりして!
概算要求 観光誘致費4倍 職員『何に使えば…』(東京新聞)
民主党は観光産業を成長産業と位置づけているそうです。それは良いことです。それで観光庁の予算が4倍強の257億円になったと。
そもそも予算って63億しかなかったのか、ということの方を驚いたりしていますが、何よりも『何に使えは…』という見出しに「怒」。
観光客招致のための広告宣伝費用、ではなくて、来てくださった観光客の利便性を高めるためのインフラ費用とみれば全然足りないぐらいでしょう。
例えば、資格は取っても仕事がない、といわれる通訳ガイドを環境庁で雇用して地方の観光協会に派遣するとか、「外人怖い…」と言っている地方旅館の経営者を集めて講習会をするとか。
予算とは関係ないにしても、今問題になっている空港や整備新幹線の問題にも、もっと積極的に関わっていくとか、やることは幾らでもあると思うのですが。
幾ら宣伝をしてもインフラが整っていなければ、人は来てくれませんよ。
(2009.10.16)
金融株高とデフォルト率
米国金融機関の決算を好感し、世界的に株式市場は上昇しています。ポートフォリオ的には今のドル安円高の為替損失をカバーして余りある勢いで海外株式が上昇してくれているのは、とても有難いことです。
とはいうものの、昨日の金融機関決算で、クレジットカード融資の貸倒償却率が増加していると、bloombergは指摘しています。同記事によれば9月のカードローンのデフォルト指標は過去最悪を更新する見込みだということです。
先日米国で話を聞いたエコノミストの方が、
失業率が高い=企業が雇用をしない=人件費低下=コスト削減=株価は上昇
と説いていらっしゃいました。今のところ個人のデフォルトといった高い失業率の悪影響より、リストラ効果の方が株価に先行して織り込まれている、ということなのかもしれません。
少し注意が必要です。
(2009.10.15)
リニア ひとりごと
リニア新幹線。。。東京-大阪1時間。。。南アルプス貫通。。。
う~ん。生理的に受け付けません。
「ひかり」から「のぞみ」になっただけで、そのスピードになれるのに2-3年掛かりました。脳みそが後ろに持っていかれそうな気がする。
移動による疲労は、移動時間ではなく移動距離に比例する、というのが私の実感なので、大阪まで1時間で行かれるようになってもあまりうれしくない。
海洋深層水もそうですが、地底のような人間とは本来隔離されてきた自然界に乱入する行為は、好きではない。
まぁどれもこれも子供の戯言ですが。
(2009.10.14)
口で幸い・口で災い
『核廃絶』
確かにまだ言ってみただけですが、米国大統領という立場で核廃絶を言ったことだけでも見事なものだと私は思います。過去の平和賞の受賞政治家を並べて見ても、まぁこの賞はこんな感じなのではないかと思ってます…(佐藤栄作・ゴルバチョフ・金大中・ジミーカーター)
言ってみただけでも価値のある言葉もある一方、言ってみただけで大混乱をする言葉もあります。
羽田空港24時間国際化?内々では規定路線であったかもしれませんが、そんなにサラッと口にしてよかったのでしたっけ?
新政権の大臣・副大臣の皆様、そろそろその浮ついた感じは卒業してくださいませ。
(2009.10.13)
返済猶予法案だけでは再生しない
返済猶予法案について批判的な意見が多いようですが…
「各国が出口政策を模索し始めている中」とか、「景気は回復しているにもかかわらず」、という批判には首を傾げます。
欧米諸国等が金融危機に伴う金融・住宅関連産業の瓦解による直接的な経済的ダメージを被ったのに対し、日本は周辺国の経済ダメージによる実物経済の縮小により二次被害を受けた国です。ですから、景気の循環が周辺国より一回り遅れています。
景気は大底を付けにいった昨年10月から12月の数値に比較すれば、どんな数字でも良くなります。但しそれは回復ではありません。
一方で、2002年の不況よりはるかに悪いと言われる中小企業の経営状況は、借入金の支払猶予で改善するような問題とも思えません。支払猶予を申請した企業が追加融資を要請した場合の対応にも、懸念が残ります。
今回の支払猶予法案をきっかけとし、中小企業を国としてどう再生させていくかという議論が活発化すればよいと思っています。
(2009.10.09)
圧力団体ありきの政策
米国出張から戻りました。
今回の出張でショックだった話題。
米国の鉄道計画予算が当初言われていた100億ドル規模から15億ドル規模へ縮小しそうだ、とのこと。
これまで日陰の存在だった鉄道産業には、議会に支持者がほとんど居ないため、政策としては全く人気がない、そうです。
逆にこれまで力のあった、自動車や不動産や保険には巨大な圧力団体が存在するので、効率の悪い後ろ向きの歳出であっても予算は付きやすいらしい。
鉄道作りはまず圧力団体作りから、ということだそうで、日本自慢の新幹線を米国で闊歩させるには、まだまだ長い長い時間が掛かりそうです。
(2009.10.08)
コントラスト
大嫌いな飛行機に6日間で三往復も乗るという、ありえない出張がようやく終わります。
ファンドマネージャーからもエコノミストからも、日本が視野から外れてしまっている一方、見ず知らずの女性から「電化製品は日本製しか買わないの!」と賞賛されたり、液晶テレビのチラシは圧倒的に日本製品ばかりだったり、と市民レベルでの印象はそれほど悪くありません。
何もモノを作っていないのに企業評価が高いアメリカと、製品ベースの評価は高いのに企業評価は低い日本とは、ある意味面白いコントラストなのかもしれません。
詳細はまた明後日…
(2009.10.06)
穏やかなNY
例えば、銀座を歩いてみると未だに人通りは多く景気の悪化を直接感じないのと同じように、週末のNYを眺める限り景気後退を実感することはありません。
ただレストランのメニューを見ると一年半前と比べ15%から20%程度価格設定が下がっていたり、日曜日は予約で一杯だったステーキハウスがガラガラだったりと、デフレ感は確実に高まっています。
今回の景気後退が、NYの治安の悪化にまだつながっていないことにほっとしていると、こちらに暮らしている人は言っています。
統計上10人に一人が失業しているはずの国で、かつNYはかなり市財政も悪化しているはずなのですが、今のところその影を引きずっている感じはしません。
このまま穏やかなNYが続いてくれると良いのですが。
(2009.10.05)
米国でやれやれ
東京にいるよりは、少しは景気の良い話が聞かれるかと楽しみにしてきた米国ですが、経済アナリストの方々の話の暗さにやや気が滅入っています。
結局のところ、いずれの国も今後の経済成長のエンジンを決めきれず、金融危機前の産業構造への未練を捨てきれていない、ということのようです。
それではダメだということだけは認識されているにも関わらず、現実的な方法論には行き着いていない、という点において、民主党新政権下の日本と問題は共有しています。
低迷した国内環境のカンフル剤として、通貨安を望むのはいずこも同じ。その中でババを引いているのが日本、という感じでしょうか…
明日は少し明るい話を探してきます。
(2009.10.02)